2011年6月15日水曜日

日本にもほしいタフなコース

イギリスのロイヤルアスコットでグランプリボスが惨敗した。惨敗と認めざるを得ないだろう。4コーナーからずるずると下がる一方で勝負にならなかったのだから。

矢作調教師はこの結果を「ファイトしないまま、レースが終わってしまった、残念!!」と表現した。そして、「メンタル面なのかなあ、あまりにもゆったりした、のんびりした環境で、馬がリラックスしすぎている、、、、」と直前まで心配して、ボスに気合いをつけていた。

日本の3歳マイル王、NHKマイルカップの覇者として、距離だけなら英国2000ギニー馬と対等の資格を得ての、勇躍参戦。私もちょっぴりフランケル何ものぞ!!と夢を持っていた。なぜなら、同距離でタイム的にはフランケルをしのぐ速さをもっていたからだ。

しかしやはり、スピードだけが勝負ではない。足にまとわりつく芝の重さと上り坂が続くコース形態の違い。そして、3歳にピークをもってくるヨーロッパ式のタフな調教。それらをクリアした強者のみが叶う出走への厳正なる審判。

そのタフな勝負に、グランプリボスは追いつけなかったのが敗因、と今は冷静に受け止めている。従って、明らかに脱帽。恐れ入りました。

日本調教馬は一から出直ししなければ、ちょっとやそっとでは破れない高い壁だ。だからこのロイヤルアスコットの伝統に勝つには、日本馬にこの芝コースと同等のコースで何度も走らせ、このタフな形態に慣らして行く以外にない。

英愛ダービー、キングジョージ制覇という偉大な成績で種牡馬になった父ガリレオが送り出した怪物フランケル。そのタフさ。血統の素晴らしさ。どれをとっても彼はまさに、相手にとって不足のない、正真正銘の王者だった。そして、楽々と7戦全勝でボスの挑戦をしりぞけた、、、、というより、まさに相手にもしてくれなかった。

ビクトワールピサがドバイで得た栄光が「タペタ」というコースの砂を克服したタフさと精神面の成長なら、ボスの敗因も又、「芝」と「コース」を克服できるだけのタフさがなかったことと精神面の弱さが敗因と言える。

グランプリボスにはかつて凱旋門賞7着という苦汁をなめながら敢然と諦めずに世界最高峰ドバイワールドカップに挑戦し、制覇した、ビクトワールピサのように、この敗戦がプラスになることを願ってやまない。

グランプリボス!!貴方のママのひいお爺ちゃんは、アメリカンヒーロー、あの奇跡の馬セクレタリアトなんだよ!!カナダの至宝、ノーザンダンサーの血も偉大なる種牡馬、サンデーサイレンスの血も入っている。それに日本が誇るサクラ一族の偉大なる血も。そんなボスが精神的に弱いなんて、、、信じられないよ。ただ経験からくる逞しさ不足だけだったんだよね。

いいよ!!グランプリボス。今回は潔く負けを認め、又行こうよ!! 天国のパパ、サクラバクシンオーもロイヤルアスコットに出走できた君を誇りに思っているよ。何しろ、女王様が馬車でご来場の300年の伝統を持ったロイヤルアスコットのレースに参加できたのだから。

いくら8位でも世界のマイル界の8位だ。パパ、サクラバクシンオーが一度も克服できなかった、マイルG1の壁を君は破って、4月末に亡くなったパパ、サクラバクシンオー産駒の優秀さを高らかに天国のパパに報告したばかり。

胸を張って帰っておいでよ!!そして、日本ホース界の皆さん!研究して、オリジナル商品より、素晴らしい商品を技術で生み出すのが日本のお家芸。作って下さいよ、本場のコースに負けないタフなコースを、、、、。

調教技術や真面目さでは、もう世界を超えた、、、といえるチームジャパン。馬のハート強化とタフなコース研究を取り入れれば、世界はそこまで届く程、馬の質は上がっています。又、一から頑張りましょう。ともあれお疲れさま!!チーム矢作!!そして、可愛いボス!!

さて最後に又又、夢の続き。エリザベス女王の姿を見て、名馬ディープインパクトを思い出しちゃった。数年前、女王はご自身の所有馬だったハイクレアの孫娘が産んだディープインパクトの日本での活躍を大変お喜びだったと聞く。

ロイヤルアスコットには、やはり、英国王室ゆかりのディープインパクト産駒でリベンジを、、、、。ディープの初年度産駒リアルインパクトが僅か3歳で日本の古馬伝統の安田記念マイル王に輝いた今、あながち遠い夢ではなさそう、、、。

見たいな女王様の驚く姿が、、、、。ディープ産駒をとりまくホースマンの皆様!!産まれたときから英才教育を、、、、。その夢が叶う日が待ち遠しいなあ、、、、。