2010年12月27日月曜日

かわいい子には旅させよ!

子供の話とおもいきや、お馬の話題です。今年も有馬記念グランプリが激戦の内に終了し、栄えあるグランプリホースに輝いたのは3歳のヴィクトワールピサ。

夢のレースを制覇したのは、今秋あのフランスのロンシャン競馬場で健闘も空しく7着に敗退した3歳馬。世界最高峰のレースと言われるフランスの凱旋門賞に果敢に挑戦した若駒。

凱旋門賞の斤量差は大きく、3歳馬に有利と判断するや、クラシック菊花賞に挑戦させず、フランスの舞台に照準をあわせ8月から遠征させたチーム角居の挑戦は、フランスの舞台でこそあえなく敗れ去ったが、その経験がこの若駒の勝負根性を強く鍛え、この日本の暮れの風物詩、有馬記念グランプリで見事に大輪の花を咲かせた。

イタリアの名手、ミルコデムーロ騎手が「夢が叶った!!この喜びを妻と二人の子供に捧げたい!!」と目を潤ませて男泣きする程の幸せをプレゼントしたヴィクトワールピサ。

ローズキングダムでこの有馬記念グランプリ制覇に向け闘志を燃やしていた日本の名手、武豊騎手が早くから期待し、クラシックを視野に訓練していたヴィクトワールピサが、この大舞台でついにその大器ぶりを発揮。ローズキングダムの出走回避で出場できなかった武豊騎手は二重の意味で無念であろう。

本来はヴィクトワールピサでダービーを、、、と願いながら、不運な落馬負傷で騎乗が叶わず、凱旋門賞での騎乗を心待ちしていた武豊騎手。残念な結果に終わったフランスの舞台だったが、この名手の目に叶った馬はやはり並の馬ではなく、名馬だったのだから、、、。

そして、馬にも又、「可愛い子には旅させよ、、、」で、フランス遠征が決して無駄ではなかったと言い切った角居調教師の言葉にも大いに感動した。

彼いわく、、、、「もっともっと世界の舞台に日本の馬を当たり前のごとく出走させねば、、、、。そして、日本の騎手に安心して任せられるよう、調教師の腕を上げ、良い馬をつくりあげねば、、、、」

本当にその通り。残念ながら今年の有馬記念。歴史に残る2センチ差で激闘を演じたヴィクトワールピサとヴエナビスタ。そしてこの2頭の間を割るように最後まで健闘したトウザグローリー。全ての鞍上が外国人騎手で占められていたのには少しガッカリ。

毎年秋のこの頃に、話題のレースを制するのが外国人騎手なのが、調教師の皆さん、、、又は馬主の皆さんにちょっぴり不満。素晴らしい馬の鞍上は日本人騎手でなきゃ、、、と思うのは私だけなのだろうか、、、。13年連続で衰退し続けるJRAの人気。

ここにも剛胆に騎手を海外に送り出し、鍛え、経験を積ませ、そして鞍上に招いて自身の育てた期待馬に乗せる馬主、調教師、騎手の素晴らしいコラボレーションが必要な時代なのではないだろうか、、。

勿論今年のデムーロ騎手の日本語での挨拶や素晴らしいコメントにはそれなりに親近感が持てる。そして何よりの見事な騎乗ぶりは、本当に賞賛に値する。しかし、毎年このころには出稼ぎ騎手に荒稼ぎをみすみす許してしまう日本のホースマンの世界。長い目でみたらどうなんだろう、、、、。疑問で終わった一年の締めくくりだった。