2010年2月7日日曜日

ドリームレース

さて、今日はアメリカからの超ホットな話題。勿論お馬の話ですが、、、、。昨年末、一度は引退を表明していた、14戦14勝の名牝ゼニヤッタが引退を取り消し、現役続行を表明していたことはもう皆さんご存知の話題。

ゼニヤッタは昨年のアメリカ競馬の最高峰というより、凱旋門賞と並び称される世界のトップレース、BCクラシックで世界の強豪牡馬を蹴散らし、BCクラシック史上初の牝馬Vを飾り、見事全勝街道をまっしぐら。恐らくアメリカの2009年度、年度代表馬に選ばれるであろうとの大方の予想があった。

しかしその大方の予想は見事に覆され、2009年度、アメリカ年度代表馬の座はもう一頭の桁違いに派手なパフォーマンスで注目され続けた名牝レイチェルアレクサンドラの頭上に輝いた。勿論、投票した人々も大いに迷ったことだろう。

レイチェルアレクサンドラは14戦11勝。一方のゼニヤッタは14戦14勝。レイチェルアレクサンドラはアメリカ牡馬クラシック3冠レースのひとつを牝馬として85年ぶりに制覇。

これはケンタッキーダービー優勝馬マインザットバードを蹴散らして掴んだ見事な勝利だった。しかし、一方のゼニヤッタはアメリカのみならず世界の強豪が集結するBCクラシックで牝馬としては史上初Vの快挙。

その内容の素晴らしさは2頭とも甲乙つけがたく、2頭の評価をめぐる争いは全米のメディアで飛び交い、ファンの応援フィルムでの熱狂ぶりはエスカレートするばかりだった。

そして、その後更に牡馬混合G1を制覇したレイチェルアレクサンドラは、それまでアメリカ史上最強牝馬と噂が高かったゼニヤッタを抑え、2009年度の年度代表馬になってしまったのだから、ゼニヤッタ陣営の心中は穏やかではなかっただろう。

では、どちらの馬が本当の最強牝馬なのか??年度代表馬の決着がついても、この2頭はますます全米の注目の的となり、この4月3日にアーカンソー州のオークローンパークで開催される、アップルプラッサムH(G1)に両馬が参戦して直接対決をし、その決着をつけるというファン待望のニュースが発表された。

ゼニヤッタは世界最高賞金のかかるドバイワールドカップに参戦し、日本の誇る名牝ウオッカと対戦か??と言う噂も飛び交っていたが、どうやらそのドリームレースはないようだ。

今年のアップルブラッサムHは特別招待レースとなり、本来49万ドルの賞金(約4410万円)のレースがもしこの2頭の名牝が参戦するなら一気に500万ドル(約4億4000万円)に賞金を激増すると発表された。それほどこの2頭の名牝の対決は全米ファンのみならず、全世界のファンのドリームレースなのだろう。

この2頭はどちらもケンタッキー州が産んだ世紀の名牝。世界のホースマンとファンの注目の中、ゼニヤッタ、レイチェルアレクサンドラ、両陣営の意地をかけた熱戦が間もなく見られる。

両馬の主戦騎手、マイクスミス騎手(ゼニヤッタ)とカルビンボレル騎手(レイチェルアレクサンドラ)の戦いも昨年のプリークネスステークス以来の因縁の戦いとなるだろう。

プリークネスステークスでは、どちらの馬にも騎乗可能な状況下、あえて牝馬レイチェルアレクサンドラへの騎乗を選び、ダービー馬、マインザットバードへの騎乗を辞退したボレル騎手の勇気にまわりはびっくり。

何しろ85年も牝馬の優勝がなかったプリークネスステークス参戦にレイチェルアレクサンドラを相棒に選んだのだから、、、。

そして、そのボレル騎手が辞退したダービー馬、マインザットバードに騎乗し、ゴール前の最後の直線、猛烈な追い込みでレイチェルアレクサンドラを追い詰め、わずかに及ばず2着に敗退したのがマイクスミス騎手。ここにも両騎手の負けられない一戦への因縁を感じる。

ウオッカ、レッドデザイアなど、すでにドバイ遠征が決まっている日本の名牝に注目している日の丸応援団の眼も次はきっとアメリカのこの2頭の世紀の名牝の戦いに注がれるに違いない。見応えのあるレースを心から期待している。