2009年4月19日日曜日

無敗のクラシック馬誕生への壁

皆様ご存知のとおり、今年の3歳牡馬クラシック第一弾、皐月賞が終わった。3強の一頭、アンライバルドが、その名の通り「無敵」の強さを発揮し、牡馬クラシック最初の一冠をものにした。

父はサンデーサイレンスの血を引き、母はノーザンダンサーの強い血を継ぎ、親族はダービー馬も含め名馬ぞろいの血統だから、アンライバルドの実力は本物。勝利は少しも不思議ではない。

しかし、「ディープインパクト以来4年ぶりに無敗の皐月賞馬誕生か??」と前評判の高かったロジユニバースのまさかの14着惨敗はどうしてだろう??心配だ。

ロジユニバースはアンライバルドと同じ父、ネオユニバースの息子で、これまでの無敗の強さを目の当たりにしてきたファンには、納得できない結果だっただろう。故障でなければいいのだが、、、、。

実は、別の意味で、私はロジユニバースを応援していた。この馬は生まれながらに左脚が曲がっており、一歳ぐらいまでは本当に目立たぬ普通の馬で、もともと、中央の競馬に出場できること自体が信じられないほどの地味な存在だったらしい。

体のハンデもあり、2歳ぐらいまで全く買い手がつかず、地方競馬に進ませる予定もあったほど、あまり期待されぬ馬だったとか。

その馬が一躍脚光を浴びたのは、ノーザンファームの厩舎の人とその後ロジユニバースを購入したオーナーに、その隠れた素質を高く評価され、中央での出走に備え、本格的な調教が始まってからとのこと。

このオーナーは15歳からホースレースの虜になり、重賞を獲得してきた名馬達の走りを常に脳裏にインプットし続け、「名馬の走り」に詳しいプロ中のプロだとか。

脚曲がりを承知で、ロジユニバースの走っているテープを何度も見直し、前脚が曲がっていてもその力強い見事な走りに感動し、むしろ腰の入った素晴らしい走りにすっかり惚れ込み、即購入決定。初の馬主になったとか。

そしてその後の重賞も含め4戦全勝という素晴らしい成績でロジユニバースの非凡な才能とオーナーの先見の明を証明したばかり。だから、私は、ディープインパクト以来初の無敗の皐月賞馬の誕生を実は心待ちにしていたのだ。

もし、達成できていれば(もう惨敗だったけど、、、)無敗の皐月賞馬は史上17頭目の快挙だったのに、、、、残念!!

3強のもう一頭のリーチザクラウンは武豊騎手のコメントで、レースの最初から掛かり気味で折り合いを欠き、まったく彼の長所は発揮できず、不発のままで終わった消化不良のレースだったとか。彼の敗因ははっきりしているから安心なのだが、ロジユニバースの不発は原因不明。

目下JRA全国総合のリーディングジョッキー首位をひた走る、名手横山典弘騎手も逆に、報道陣に何が問題だったと思うか質問するほどロジユニバースの不発の原因が分からずショック。

ロジユニバースは早くから、関東のエース!!、久しぶりに関東に期待の星!!と騒がれすぎ、疲れちゃったのかな??本当に故障じゃなければいいけど、、、とただただ無事を祈るのみ。

それにしても、無敗で最初のクラシック一冠目を勝つこと自体が本当に難しく、それを考えると、最初に無敗で牡馬クラシック3冠馬になった皇帝シンボリルドルフとその皇帝に21年ぶりに並び、2頭目の無敗の3冠馬となったディープインパクトという馬の超絶的な強さが改めてわかる。

この2頭が確かに歴史に残る最強馬であったことを改めて感じさせてくれた今年の牡馬クラシック第一弾、皐月賞。

勝つことをファンから強く要求された中で当たり前のように勝ってきた2頭の無敗の3冠馬は、やはり一枚も二枚も能力が上だったとしか言い様がない。

しかしまだまだ、今年の牡馬クラシック戦線は終わったわけではない。始まったばかりだ。最高峰のダービーと菊花賞が控えている。

惜しくも敗れたロジユニバースとリーチザクラウンの陣営は、ぜひ原因を究明し、しっかり立て直して仕切りなおしをしてほしい。実力はほぼ同等の3頭。

この3頭の見事な血統表から言っても、力を出し切れさえすれば、次はレベルの高い、歴史に残る素晴らしいダービーが見られるはず。今回は取り敢えず、皐月賞一冠、アンライバルドと岩田康成騎手おめでとう!!