2010年3月7日日曜日

さようならウオッカ!!

鼻出血による電撃引退が発表されたウオッカ。ドバイワールドカップを引退レースに選んでいたが、その前哨戦として走ったチャレンジカップで8着に惨敗。明らかに異変を感じた。

幸い、日本から参戦した4歳牝馬レッドデザイアが素晴らしい差し脚で快走し、世界のホースマンの度肝を抜いて優勝したが、本来、この役目はウオッカのものだった。

勿論これまでも変に脆いところがあり、常勝で安定していたディープインパクトなどとはタイプが違う繊細な馬。しかし、ツボにハマった時の破壊力は抜群で、誰にも止められない勢いと迫力を感じた牡馬のような牝馬だった。

何よりも64年ぶりに牝馬としてダービー馬の栄誉に輝いた2007年の勇姿。すべての牡馬が霞む程の圧勝だった。そして牡馬を蹴散らしスピードの違いを見せつけた痛快な安田記念。希代の名牝であり、ライバルとして君臨したダイワスカーレットとの壮絶な天皇賞秋の死闘。

牝馬として初の勲章に輝いた昨年秋のジャパンカップ。どれも強烈に思い出に残る名レースばかり。ウオッカという強い強いお酒の名前とともに、はらはらどきどき、スリルとサスペンスの映画を鑑賞しているような気分だった彼女の走り。ファンはどれ程酔いしれたことだろう。

その名女優は最後の本番の舞台に立つことなく静かにその壮絶な走りを終えた。しかし、すでに幸せな嫁入り先も決まっている。婿殿のシーザスターズは英国クラシック2冠、凱旋門賞優勝馬として世界的に認められた名馬であり、その親族にも凱旋門賞馬がずらりのサラブレッド中のサラブレッド。目下世界一の婿殿だ。

ウオッカとシーザスターズの未来の産駒は2013年にヴェールを脱ぐ。勿論順調に受胎すれば、、、ということだが、、、、。まだまだファンに残された夢は壮大だ。

なんだか、始めからこんなストーリーが決められていたようなウオッカの運命。可愛い子馬をつれてアイルランドの牧場でのんびり草を食むウオッカを訪ね、アイルランドの地を訪れてみたいなあ〜〜。

本当にお疲れさまウオッカ!!そして、数々の夢を作り上げてくれたオーナー、角居厩舎の皆さん。ウオッカは消えても、彼女が残した偉大なる足跡と歴史に残る戦績は消えません。今後も長く、歴代最高牝馬の一頭として、語り継がれてゆくでしょう。

どうぞ又、彼女の素晴らしい産駒とともに、夢の続きを作り上げていってください。その日をファンは心待ちにしています。

さようなら、そして、ありがとうウオッカ!! 元気でね〜〜〜!!