2010年2月5日金曜日

朝青龍引退をうけて

数日来、メディアを賑わしていた角界の二つの大問題にとりあえず決着がついた(?)。ひとつは安治川親方の引退撤回。ひとつは朝青龍の引退届け提出という形で、、、、。

朝青龍引退の発表は号外まで飛び出し、完全に前日までの安治川親方を巻き込んだ貴乃花理事の選挙問題に対する理事会の不明朗な陰湿な発言や態度と責任問題を棚上げにして、朝青龍問題に国民の眼をすべて向けさせてしまった。

しかし、元々この問題は全く違う二つの問題。朝青龍の問題を新理事会で討議(?)した時には、「自主的に引退をしなければ、解雇」という結論が出ている中での朝青龍への通告。

つまり、いずれにしても角界を去らせる為の討議。そして、朝青龍は自ら引退の道を選び、会見では泣き言一つ言わなかった。勿論自ら世間を騒がせた非を認めたからだ。

これには、横綱審議委員会が「引退勧告」という強い姿勢で臨んだ事も大きな原因。そして、その勧告の理由は「国民に受け入れられぬ程、横綱の品格を汚したから」というもの。

すでに、引退を表明した朝青龍は、理事選挙に対する不正があばかれそうになり、一門が慌てふためいて事後処理に乗り出し慰留した、安治川親方のように引退撤回はあり得ないだろう。

しかし、文部科学省と横綱審議委員会には、引き続き、まだまだ大きな使命がある。身体的暴力ではないが、理事選挙で一人の人間を引退決意にまで追い込んだ角界の人々の言葉の暴力に対する品格の評価だ。

やるなら公平に裁いてほしい。「造反者。犯人探し。裏切り者はどこのどいつだ!!」「冷や飯を食わせてやる!!」などなどの発言。国民はメディアを通じて、震え上がるような品格のない言葉を聞きましたよ。

これらの恐怖政治に等しい暴言に対する品格裁判はやらないのですか??これらの暴言に対する監督省庁としての謝罪と国技相撲の理事会の人々がその地位に相応しいのかどうか、品格とは何か、ぜひ国民に納得のゆく説明をお願いします。

朝青龍問題よりショックな理事選挙にまつわる不可思議で恐ろしい一連の発言と親方衆の動きを見てしまった国民にとって、このまんま終わらせてしまったら、貴乃花親方や安治川親方など、若い息吹を圧政で押さえ込み、改革への前進を阻んでしまうことが見え見えですから、、、、。

又、時には一人横綱として、25回の優勝を飾り、その独特の技の切れ味で長く相撲人気を支えて来た横綱朝青龍の功績に対しても、冷たく裁くだけでなく、暖かい眼を持つ事もお勧めします。

彼はすでに自分の罪の責任はとったのですから、今度は自分でまいた種とは言え、突然、人生の大転換を迫られ、新たな道の出発に向かう朝青龍に、日本国民が感謝を表し、「敵に塩を送る」というのも、立派な日本文化の美でしょ??

監督省庁、文部科学省は、相撲理事選挙に対する一連の騒動にけじめのある公正で公平な処分を課し、朝青龍の再出発に対しては、ぬくもりの感じられる対処の仕方をぜひみせてください。

モンゴルでも外国人力士に対する日本人の狭量がそこはかとなく話題になっています。その噂はモンゴルのみではありませんよ。罪は罪。しかし、裁きが終わった後は、功績は功績。感謝は感謝。これからの教育にも関わる大切なことですから。

そして、横綱審議委員会の皆さんには、ぜひ、「力士品格教育センター」を角界とは離れた組織として、つくられたらいかがでしょう。文部科学省と相談して。

今回の理事選挙の一連の騒動をみて、力士を束ねる理事会の人々の暴言や圧政を見る限り、品格養成できる力はかなり疑問ですから、、、、。

この横綱審議委員会の委員の皆さんには、一国を代表する政治家の皆さんにもぜひとも正々堂々と闘う使命を説いていただき、「内閣審議委員会」のメンバーに就任して頂きたい位。旧委員の方も含めて、、、、、、。議員の品格も説いていただきたいのですけど、、、。
儚いお願いとは勿論承知。でもかなり本気!!

だって、数億円の会計処理を「全く自分は知らなかった!!」などという意見が普通の庶民社会で通りますか???角界と同じ位、庶民には理解できない非常識がまかり通る社会。共通点が多いですよ。

最後に一言。私は相撲ファンでも朝青龍、貴乃花、安治川親方の身内、友人、知人でもありません。つまり、何にも関係ない、一日本人です。

しかし、見苦しいですね。この一連の騒動は、、、、。品格という曖昧な言葉の明確な意味をぜひ相撲界の監督省庁であり、日本の学校教育を担う文部科学省の方々に教えていただきたいだけです。理事選挙の一連の騒動をみて、、、。よろしく。