2011年11月29日火曜日

蘇った絶景

秋の国際レース、JCが終わった。まだ、その興奮の余韻がさめやらない。お嬢様、ブエナビスタ(絶景)の一年ぶりの勝利。それも凱旋門賞馬に初の一番人気を譲り、二番人気として迎えた感動的な昨年のリベンジ勝利。JCの歴史上一番の錚々たるメンバー、強豪を制しての勝利であるから、本当に価値が高い。

なにしろ、世界一と言われる凱旋門賞馬、ドバイワールドカップ馬、日本一の天皇賞馬など、どれが勝ってもおかしくない豪華絢爛の布陣。しかし、やはり、ブエナは強かった。顔をみれば相変わらず、おっとりとしたお嬢様なのに、天皇賞記録馬トーセンジョーダンを追いかける末脚は天下一品。昨年の屈辱の降格を払拭したリベンジ勝利はあの剛胆な松パク調教師をすら涙にくれさせた。

この勝利は世界を驚愕させ、誰もが現役馬世界一はブエナビスタであることを認めざるを得ないであろう。ジョッキーのみならずブエナビスタの関係者の皆さんも涙、涙の感動のフィナーレだったそうだが、ブエナビスタファンの私にも本当に幸せな気分と感動を与えてくれた勝利である。岩田騎手、松パク調教師、厩舎の関係者の皆さん、本当におめでとう!!

見事な見事な2回目の親子制覇。シンボリルドルフ/トーカイテーオーの親子制覇は勿論父と息子。今回は父と娘の制覇ということで、牡馬、牝馬のJC親子制覇は史上初。今後現れるかどうかわからぬ見事な価値ある勝利である。

前のブログで触れたと思うが、父はあのスペシャルウイーク。母はビワハイジ。父はアメリカのサラトガにある競馬の殿堂の外国馬紹介のコーナーで唯一の日本馬の情報として紹介されているのを見て、改めて1999年のスペシャルウイークのJC制覇がいかに深い衝撃をアメリカや世界に発信したのかがわかった。

今回はその父をもしのぐ大きな衝撃と感動を世界に発信したことだろう。世界一といわれる凱旋門賞馬とドバイワールドカップ馬、その他欧州、アメリカの名馬を蹴散らして、堂々たる王道を行く素晴らしいレースをしたのだから。凱旋門賞馬の陣営が、レース前に、「気になる馬は?」という報道記者の質問に、唯一、「ブエナビスタが、、、」と名を上げたほど、すでに外国でも有名だったが、外国陣営にとっては、その心配が当たってしまった。

このJC制覇でついに賞金獲得額でも、あの名馬ディープインパクトを抜いて堂々の史上第二位。あの歴史的な名牝、ウオッカをも抜き去り、牝馬記録第一位。あのたおやかなおとなしいブエナビスタの何処にこんな闘争心が秘められているのだろう。本当に大した牝馬だ。

残す所あと一戦。暮れの有馬記念を最後に彼女はターフを去り、繁殖牝馬として第二の生活に入るそうだ。ウオッカとともに、恐らく欧州最高の種牡馬との未来がまっているのだろう。すでに輸入されているあのキングジョージの勝ち馬ハービンジャーや昨年の凱旋門賞馬ワークホースなど、素晴らしい花婿候補が一杯。

ターフで彼女の見事な末脚が見られなくなるのは少し寂しい気がするが、それ以上に母となるブエナビスタに期待感も一杯。どんな名サラブレッドの母になるのだろう。夢は大きく膨らむ。泣いても笑ってもあと一戦。女ディープインパクトと呼ばれた彼女の見事なさよならレース、ラストランに期待しよう!!