2011年6月6日月曜日

息子よ!!あっぱれ!!

古馬G1、春のマイル王決定戦「安田記念」が終わった。1600メートル先のゴール目指した快速自慢のつわもの達。香港から参戦の強豪も含め、何しろ古馬の錚々たるメンバーのマイル王頂点争いだから、そのレースの凄さと重みは格別だ。

そこで、「あれ、あれ、あれ?僕勝っちゃった!!」とケロリとした顔でゴールを最初に駆け抜けたのは、英雄「ディープインパクト」を父に持つ、リアルインパクト。今年僅か3歳の最年少馬。

父と同じ、長く良い末脚を使える自慢の初年度産駒の一頭。確かに昨年デヴューしたディープ初年度産駒はかなり優秀で、多くの馬が勝ち上がり、ディープインパクトの種牡馬としての優秀性も見事に認められた。

反面、父程の大物にはまだ巡り会えず、飛び抜けた印象は与えられなかった。まあ、割が悪いといえばその通り。何しろ皆の頭の中には、まだまだ、あの空を跳ぶ走りで魅了した父、ディープインパクトの衝撃的な強さがこびりついているからだ。

息子や娘がいくら善戦しても、まだまだあの親父程じゃないな!!と割り引かれる。普通の親を持つ馬なら「凄い」と言われるのに、ディープの子なら、この位当たり前、、、という考えがいつもファンの脳裏にちらつくからだ。

だから、桜花賞でマルセリーナが見事にディープ産駒として初めてのクラシックを制覇しても、続けて多くのG1でディープの産駒が善戦しても、チョッピリ「当たり前」ムードがあった、というか、「がっかり」ムードがあったのだ。

しかし、昨日は違う。何しろ親父ディープはすべて2000メートル以上にしか出走記録がない。中長距離のスペシャリストとして競走生涯を終えた。

その息子が、日本マイル界最高の古馬や香港からの刺客を相手に堂々たる戦いぶりで、国際レースG1安田記念のマイル王となったのだ。これは親父も未達成の領域だ。アパパネなど蹴散らした相手の筆頭も又凄い。何しろブエナビスタをやっつけたアパパネといえば、今や女傑、女王、女帝、あらゆる呼称がつけられる特別な馬で、現役古馬最強マイラーとも呼べる牝馬の域を超えた馬だったからだ。

その他の古馬もジョーカプチーノなどのG1ホールダーや、G1常連の錚々たるメンバー。3歳で参加したリアルインパクトが勝てる相手で
はないだろう!!と思われた彼は9番人気に留まっていたのだ。

しかし、結果は「わあ〜〜勝っちゃった!!」  タイムも1分32秒0なら上々。遥か北海道から親父ディープインパクトも「息子よ!でかした!!」と喜んでいることだろう。何しろ、3歳馬の安田記念制覇はG1になってから史上初。それほど古馬の壁は厚く、3歳馬が勝てる程、甘い舞台ではない、、、と思われて来たレースだ。

ただ一つ思うことは、アパパネは本調子ではなかった。残念!!アメリカでクラシック3冠馬が近年なかなか出難いのは、レースの間が殆ど2週間程度で3冠レースすべてが行われるからだ。

単なる実力のみならず、体力、運、すべてにおいて馬にとっては、過酷なスケジュール。だから、なかなか3冠をとれない。日本の場合は最後のクラシック1冠、菊花賞が秋になるし、皐月賞、ダービーの間も1ヶ月はある。だから、どちらかと言えば、馬には、過酷なスケジュールではない。

言いたかったことは、アパパネのスケジュールは過酷過ぎたこと。牝馬ですよ。アパパネは、、、。ヴィクトリアマイルでブエナビスタと熾烈な女の戦いをし、疲れ果てて勝利を得てから、わずか2週間。無理ですよ、こんな安田記念などという牡馬混合の過酷なレースに送り込むのは、、、、。

ちょっと可哀想なアパパネ。オーナーやトレーナーの焦りとか、欲で、壊されないことを祈るのみ。何しろアパパネは、将来、ディープインパクトの強力な花嫁候補。同じオーナーの馬で血統はばっちり。将来、牡馬クラシック3冠馬と牝馬クラシック3冠馬との夢の配合の主役となる大切な馬。もう少し、ゆったりしたローテーションでお願いします。

ともあれ、リアルインパクトよ、あっぱれ!!親父に誇れる偉業達成だったね!!伝統の格式高い安田記念の制覇は、、、。まだまだ3歳、先が楽しみ〜〜〜!!頑張ってね。応援してるよ。

大井から参加の戸崎騎手。中央のG1初制覇とか。よかったですね。おめでとう!!憧れのディープ産駒の背中の乗り味抜群だったでしょう??これからも素晴らしい騎乗を見せて下さい。貴方の騎乗技術の素晴らしさは多くのホースマンの折り紙付きですから、、、。

東京春の名物、G1レースのフィナーレを飾る安田記念。ディープ産駒のリアルインパクトで又又大きな話題を残し、幕を閉じた。秋まで東京の舞台はおやすみ。モハメド殿下の来日。益々の国際化。色々有った春の府中。名残惜しいけど、秋を楽しみに、、、、。