2010年5月31日月曜日

伏兵見参!!

話題沸騰のダービーが終わった。7611頭の頂点に立ったのは、ヴィクトワールピサでもペルーサでもなく、伏兵(実力は勿論兼ね備えているが、、、)、エイシンフラッシュだった。

馬場の真ん中から最後一ハロンを切ってデッドヒートを演じたのは、このエイシンフラッシュと2歳王者ローズキングダム。

この戦いで、多くのホースマンが改めてダービーを勝利する事の難しさと怖さと運命を強く感じたに違いない。

この日出走したサラブレッド達は、このたった一日の2分半ほどの為に、生まれ落ちてからこのレースまで、いったいどれだけの人の手を経て大事に育てられて来たことだろう。

先週だけでもローズキングダムの軽い足元の不安発症、そしてその必死の手当による克服。ダノンシャンティの最終日を前にして、骨折による無念の出走取り消しという激震のニュース。出走までの関係ホースマンの心配と緊張は大変なものだっただろう。

それほど、万全の体調でこの夢舞台に立たせることは難しい。人馬共に体調管理が大変なのだ。意外な落とし穴もあった。ローズキングダムの小牧太主戦騎手の騎乗停止処分やリハビリの遅れによる武豊騎手の無念のヴィクトワールピサ騎乗回避などなど、、、、。

そして、輸送、天気、馬場コンディションなど運も又、この勝負を大きく左右した。輸送に関しては、ヴィクトワールピサが馬運車から降りてくる様子を「ぴりぴり降車」と伝えた記事を読み、イライラして「入れ込みがあるのでは、、、」と密かに心配していた。

この心配は残念ながら当たってしまい、ヴィクトワールピサはこの大事な局面で、少し落ち着きを欠き行きたがり、3コーナーあたりでは少しかかり気味だったとか。このほんのわずかな体力ロスも最後の末脚に微妙に影響したようだ。

実力紙一重の超一流馬同士の戦いでは、こんな、ちょっとした心理面のハンデが致命傷になることもある。ゲートで出遅れたペルーサの残念なスタートのように、、、。

ダノンシャンティが抜けた後、2強対決として、ヴィクトワールピサとペルーサの初対決にばかり話題が集まり、人気を二分した両馬の陣営。平常心を貫く闘将、藤沢和調教師と角居調教師ではあったが、馬は敏感だから、やはり周りから何か目に見えないストレスを感じ、気負っていたのかもしれない。

エイシンフラッシュの藤原厩舎は調教師自身が乗馬のプロで、厩舎スタッフの多くも又、乗馬のプロ集団ときく。(大学高校などの馬術クラブ出身者)

綺麗なフォームで長距離ぶれずにまっすぐ馬を走らせながら調教し、ときには藤原調教師自身が乗りながら調教。その独特のアカデミックな調教法は多くのホースマンに注目されていると聞いている。

そんな軍団で鍛えられたエイシンフラッシュ。そしてその軍団から最後にバトンを受け取ったアンカーが、史上初の地方、JRA両方のリーディングジョッキーに輝き、昨年は武豊騎手の8連覇を阻止してJRA総合リーディングジョッキーの座についた名手内田博幸騎手。

その彼の豪腕に答え、上がり3ハロン32秒7の豪脚を繰り出しゴールを駆け抜けたんだから、エイシンフラッシュのダービー制覇も考えてみれば「なるほど、、、、」と納得できる当たり前の最高の結果。

内田騎手、藤原厩舎の皆さん、そしてオーナー、ダービー初制覇おめでとう御座います!!

又生産牧場は社台ファームでしたね。吉田照哉代表のこの馬の血統に惚れ込んだ秘話も読みました。

これまでエイシンフラッシュに携わって来たすべての関係ホースマンのみなさんはきっと数々の思い出がずしりと重く、この栄光の勝利にしばし酔いしれることでしょう。

しかし、前にもブログで述べた通り、このダービーに出走を許された今年の18頭(ダノンシャンティも含め)はすでに7611頭の中から選ばれに選ばれたよりすぐりの優駿。

そしてとてもハイレベルなサラブレッドが揃った強い強い今年の3歳世代。ここに出走できたすべての名馬に、改めて心から拍手と賞賛を贈りたい気分の今年のダービー。

目前で無念のリタイアとなったダノンシャンティの安藤勝巳騎手。そして、惜しくも乗れなかったヴィクトワールピサの武豊騎手とローズキングダムの小牧太騎手。

ゲートで後手を踏み、実力発揮とはならなかったペルーサの横山典弘騎手。その他、今年のダービー出走馬の手綱をとったすべての騎手や陣営の皆さんには、きっと将来を見据え、新たな決意に燃えていることでしょう。

ともあれ、目下のところ、3歳の幼い馬が必死に走り抜けた東京の2400メートルのタフなコースで故障なし。(まだわからないけど、、ないことを切に希望)。

このところ、予後不良、骨折脱落の可哀想なニュースが多かった中、ここで、名将藤沢和雄調教師のモットー、「一勝より一生」という私の大好きな言葉をおおくりし、各馬の陣営には又のリベンジをお願いしたい。

何しろハイレベルな期待馬ばかりが集結した史上最強と言われたダービーだったんだから、、、。見事走り終えた愛馬を心から褒めてあげてくださいね。

お疲れさまでした。関係ホースマンの皆様。さあ新しい一年のスタートですね。いよいよ近代競馬の結晶、ディープインパクト産駒のデヴューも間近。又新しい若駒が出陣の時。来年に向け皆さん益々お元気で頑張ってください。

2010年5月24日月曜日

やっぱり今年も牝馬の年??

5月30日のダービーを前に牝馬のクラシック最高峰、オークスが昨日終わった。すでに大興奮の結果は皆様十分ご存知だろう。

何と何と、JRAG1史上初の同着優勝で関東馬2頭が栄冠の喜びを分かちあった。でも私の記録や記憶に残るのはこの史上初の同着のみではない。

以前からお伝えしている通り、優勝馬の一頭アパパネは、あのディープインパクトのオーナー、金子真人氏の所有馬。このオークス制覇で、金子オーナーは牝馬牡馬クラシックのすべてのレースを完全制覇。

こんな幸運な個人オーナーが他に居るのだろうか。2006年12月の有馬記念ラストランの後、ディープインパクトの引退式にのぞんだ金子オーナーは、「せめてあと一年ディープを走らせて!!もう一度、武豊騎手で凱旋門賞に挑戦して!!」という大方のファンの声なき声を十分理解していたのだろう。

「ディープインパクトが引退して、実は一番寂しい思いをしているのは私です!!」と声を詰まらせ涙ぐんだ。

あれから4年。自身の持ち馬で、ディープと甲乙つけがたい名馬、キングカメハメハがターフに送り出した素晴らしい娘アパパネで、見事、オークスを制覇し、自身の持ち馬による牡馬牝馬クラシック完全制覇という偉業を成し遂げた。

キングカメハメハとディープインパクトは共にダービーレコード、2分23秒3という素晴らしい記録を保持している。そしてアパパネもレースレコードを塗り替え続ける高速牝馬。

一頭のダービー馬のオーナーになるだけでも凄いのに、2頭。それも歴史に残るダービーレコード馬キングカメハメハと21年ぶりの無敗の3冠馬ディープインパクトをターフに送り込むという離れ業を達成した超幸運なオーナー。

そして牝馬クラシックも昨日のオークス制覇で2冠制覇。アパパネも本当に凄〜〜い!!昨年のブエナビスタ同様、2歳女王からG1を連勝中。やっぱり今年も牝馬から目が離せない。

さて、アパパネと同着でオークスの栄冠を獲得したもう一頭のヒロイン、サンテミリオンも話題にはことかかない牝馬だ。なにせ、父が2004年の年度代表馬ゼンノロブロイ。

しかし、彼は大器晩成というか、残念ながら充実期を迎えたのは4歳以後。ダービーでは、惜しくも2着に終り、3歳クラシックは無冠。しかし、その悔しさは昨日、娘のサンテミリオンが堂々と晴らしてくれた。彼女はゼンノロブロイにそっくりな牝馬だそうだ。

今年初めて3歳クラシック戦線に産駒を送り出したゼンノロブロイの種牡馬としての素晴らしさは、このオークスに産駒を6頭も送り出し、来週のダービーでは西の大将ヴィクトワールピサを東の大将として東京競馬場に堂々と迎え撃つ無敗のダービー挑戦馬ペルーサの父として、すでに大いに注目されている。

今年のオークスは同着という歴史に残る名勝負で終わった。そして、アパパネとサンテミリオンの激闘は秋の秋華賞へと引き継がれる。

先輩ウオッカとダイワスカーレットから始まった牝馬の歴史的な名勝負のドラマは、ドバイで世界的な名牝となったブエナビスタとレッドデザイア、そして高速牝馬アパパネとサンテミリオンの熱い熱い戦いとなって今年も続いて行く。

そして、大いに盛り上がった初夏の牝馬の祭典、オークスの余波は、来週の3歳サラブレッドの頂点を決めるダービーへと益々盛り上がって行くに違いない。待ち遠しいなあ、、、。ワクワク!!

ダービー優勝馬はヴィクトワールピサかペルーサか、、、はたまたどの若駒か??ドラマは続く、、、、。

2010年5月20日木曜日

ついにここまで、、、、

今日の日経新聞オンラインのニュースで日本の国際競争力の低下に関する記事を読んだ。感想は、、、、。ついにここまで、、、、というタイトル通りの心境。

このニュースの根拠は、スイスの有力ビジネススクールのIMD(経営開発国際研究所)の発表に基づくものだそうだが、比較されている国々のいくつかに実際に居住した経験を持つ私にとって、本当に興味深いものだった。

まず、2010年度、最も競争力の高い国に選ばれたのはシンガポール。昨年のアメリカにとって代わり、栄えある一位。香港が二位。アメリカは三位に後退した。

評価対象は「経済状態」「政府の効率性」「ビジネスの効率性」「社会基礎」などから300以上にも上る項目を詳細に分析した結果だそうだ。

日本は調査対象58カ国中、27位とのこと。「え〜〜〜っ!!」と驚いているのは私だけではないだろう。

勿論、悪いだろうなあ〜〜〜とは思っていたが、8位台湾、23位韓国とこの両国にもかなり水をあけられたのには、ガックリ。日経新聞で取り上げられたニュースの発表だから、無視できない数字だろう。

個人的な興味では、昨年の23位から8位へと「ビジネスの効率性」が大いに評価され、大躍進した台湾の健闘。

トップから下の人まで、その意志決定と行動において、時には勇み足では、、、と危惧される程の素早い行動力が、この大躍進を支えているのだろうか、、、、。約30年近く、台湾のビジネスマンを見て来た私にとっては、とても感慨深い。

日本の大きな後退(昨年は17位)に関しては、「成長率の低下」「対内直接投資の低迷」を反映し、経済状況の大幅な悪化が原因らしい。

少子高齢化、財政赤字の膨張など、社会基盤や政府の効率性でもいずれも低評価。調査関係者に「このままでは国際企業は活動場所として、日本を選ばなくなる」とまで警告された日本。

放漫財政を改めない国の筆頭は日本とまで、最悪の評価をされた日本はすでに、数年前からまるで政府不在、「今の日本の首相は誰??」とまでよく訊かれる程国威の低下が著しい。このままの状況下では日本の公的債務と経済の健全化は2084年までかかる見通しとか、、、、。

「あ〜〜あ!!子供の代どころか、孫の代まで大変だなあ〜〜日本経済の雲行きは、、、、。頑張れ〜〜!!」と言いたいところだが、、、頼りない国家経営。どうなることやら、、、、。

ちなみに、私が目下住んでいるカナダは世界7位の競争力とか、、、。まあまあでちょっぴり安心。でも、、、日本人としては、複雑だなあ〜〜〜。

2010年5月18日火曜日

ダービーの楽しみが少し、、、。

アメリカのケンタッキーダービーは、昨年に続き、カルビン.ボレル騎手がスーパーセーヴァーで制覇。過去4年間に3勝を挙げるという神業。

現地の新聞でも、ボレル騎手のダービー騎乗は芸術的な域に達していると大いに賞賛。しかし、プリークネスステークスではダービー馬は8着に敗退したそうだ。。

プリークネスステークスといえば、昨年、牝馬のレイチェルアレクサンドラがやはりボレル騎手を背に、85年ぶりの牝馬勝利によるアメリカの牡馬3冠レースの戴冠という、素晴らしい偉業の思い出が蘇る。

昨年は思いがけずチャーチルダウンズ競馬場でこのレイチェルアレクサンドラの歴史に残る20馬身以上の差をつけたケンタッキーオークス制覇の歴史的証人の一人になれた。

そして又、あの全米を涙にくれさせた国民的ヒーロー、2006年度ケンタッキーダービー勝利馬で、今は亡き、バーバロの像の前で記念写真をとってきた。

プリークネスステークスときくと、レイチェルアレクサンドラの素晴らしい偉業と、このレース疾走中に故障を発症。多くのファンの祈りと願いも空しく2007年1月に安楽死となったこの悲劇のヒーロー、バーバロのハンサムな容姿が思い浮かぶ。

栄光と衝撃の両馬の思い出は、これからもプリークネスステークスというアメリカクラシック2冠目の名前を聞くたびに、喜びと痛みを伴って思い出されることだろう。

さて、今年の日本ダービーの素晴らしい盛り上がりについては、先回のブログで少しふれた。しかし、昨日、残念なニュースが飛び込んで来た。

ヴィクトワールピサでダービー復帰が伝えられていた、武豊騎手の無念の騎乗回避の発表。まだまだリハビリ途上で、思ったより肩の故障が重傷であり、間に合いそうもなく、ぎりぎりの残念な選択だったようだ。

これで、東西のトップジョッキーによる、技と駆け引きの対決の魅力がかなり減少、、というと、代打岩田騎手に失礼かな、、、、。しかし、今年絶好調でトップを走る横山典弘騎手が騎乗するペルーサと武豊騎手の騎乗するヴィクトワールピサの対決。本当に見たかったなあ、、、。

自他ともに認める東西の実力者。プライベートでも仲がよく、ライバルとしての負けん気も満々。武豊騎手の体調が万全なら今年のダービー対決は両者にとっても意地とプライドをかけた火花を散らす一戦となったことだろう。

きっと横山典弘騎手もちょっと残念に思っているのではないだろうか。やはりダービーという日本一の祭典に東西の横綱は揃い踏みしてほしかった、、、、、。残念!!

しかし、「自分のパフォーマンスが出来る自信がない限り、乗るべきではない!!」という武豊騎手のプロの決断。ごもっともです。

ダービーという3歳馬とその関係ホースマン、特に有力馬の主戦ジョッキーにとって夢の又夢の祭典に、18年ぶりに欠場、、、という苦渋の決断に追い込まれた武豊騎手自身が一番残念でがっかりしていることだろう。

「ファンは辛抱強く貴方の復帰を待っていますよ!!プロとして納得の行くまで、ゆっくり焦らずにリハビリに励んでください!!」。

さてこれからは、後を託された岩田騎手の皐月賞に続く剛胆な騎乗に期待するのみ。何しろ、相手は史上最強といわれる布陣。「ヴィクトワールピサが一番強いと信じて乗る!!」とのコメント、心強い。

昨日はヴィクトリアマイルが東京で開かれ、一番人気のブエナビスタが底力を発揮し、昨年のウオッカと同じタイム(レースレコードタイ)で優勝し、マイル女王の座についた。

思い起こせば、初のドバイ遠征後、同じくヴィクトリアマイルに参戦したウオッカは、体調が整わず、まさかの2着に敗退。昨年は2度目の挑戦でこのレースレコードを樹立。

そう考えれば、初のドバイ遠征後、調整も不完全で、体調もまだまだの状態。名手横山騎手が返し馬ですぐその歩様の固さを感じる程の不安な状態で、この勝利。

ポストウオッカどころか、日本の近代競馬の牡馬の結晶がディープインパクトなら、このブエナビスタこそが日本の近代競馬の牝馬の結晶かもしれない。すでにG1も4勝。期待に胸が膨らむお嬢様。あとは故障のないよう、祈るのみ。

暑い夏にむけて、海の向こうでは、イチロー選手が今年もピッチを上げ、もう、名人の域でタンタンと安打を量産している。頼もしい限り。武豊騎手はイチロー選手とも親しい間柄とか。

以前、イチロー選手から贈られたバットで素振りをしている武豊騎手の写真を見たことがある。どうか、又、素振りをしても違和感がなく、左肩が自由に使えるようになり、ターフに元気な姿を見せてほしいもの。なんといっても武豊騎手には、馬上の勇姿が一番のお似合い。待ってま〜〜す。

2010年5月12日水曜日

史上最高のダービー?

すでにタイトルに対する説明はいらないだろう。盛り上がる今年のダービー。なぜならば、4強か、5強かと呼ばれる参戦予定馬がどれもこれもこれまでの規格外の強さ。

どの一頭でも主役をはれる実力馬(血統も含め)がずらりと名乗りを挙げて来た今年のダービー戦線。長く日本競馬の歴史を見守って来た専門家や関係ホースマンが口をそろえて「今年のダービー勝利馬を予想するのは難しい、、、、、」という。

一ヶ月程前までは、2強と呼ばれ、皐月賞馬ビクトワールピサと2歳王者ローズキングダムにばかり、話題が集中していた。しかし、しかしである。青葉賞のペルーサの度肝を抜かれるような鮮やかな独走。

落馬負傷後、ビクトワールピサでダービーに騎乗するためリハビリに余念のない武豊騎手もブログでペルーサの強さにビックリした事を正直に発表していた。

そこに又、続けてビクトワールピサとは同厩舎のルーラーシップがプリンシパルSの勝利馬一頭にのみ許されるダービー参戦権をぶっちぎりの末脚で獲得。母が女傑のエアグルーブ。早くから期待されていた超良血馬がどたんばで覚醒したのだから怖い存在だ。

そして、皆さんの記憶にも強烈に焼き付いていることと思いますが、あのダノンシャンティの3歳春の幼い馬とは思えぬ堂々たる日本新記録でのNHKマイルカップ戴冠。そして松田厩舎の先輩キングカメハメハの歩んだ変則2冠馬(NHKマイルカップ&ダービー)への挑戦宣言。

1分31秒4という恐ろしい速さでゴールを突き抜けたダノンシャンティは翌日も無事で足元も大丈夫とか。松田厩舎はすでにNHKマイルカップからダービーへの調整で大きな実績を挙げており、上記3強の陣営もここで4強と呼ばれることに異論はないだろう。

今年はこの4強と呼ばれる馬以外にも、ローズキングダム、ヒルノダムール、サンライズプリンス、リルダヴァル。

例年なら、すでにかなり絞られているこの時期に益々予測不能に陥るほど、今年のダービーは異常事態発生。それもどの一頭が勝っても、「やっぱりね、、、」と思える納得の一頭であり、2着以下の馬にも心から拍手を贈りたいと今から思える名馬ばかり。なんだか順番をつけてしまうのが惜しいような気もする。

こんな、もの凄いメンバーによる3歳馬の頂点争いはもう今後見られないのではないだろうか。4強、5強とよばれる一流馬の父、ネオユニヴァース、キングカメハメハ、ゼンノロブロイ、フジキセキ、、、、。

現役時代には絶対に見られなかったこの名馬達の対戦が今、夢の子供達の熾烈な争いとなって蘇る。果たして、どの馬が一番強かったのだろうか、、、、。血のロマンに魅了されている私には興味津々。

そして、これらの名馬の手綱をとる当代一流のジョッキー達の争いも又、胸がわくわくする激戦。武豊、横山典弘、安藤勝巳、四位洋文、、、、東西の豪華ダービージョッキーの意地と意地がぶつかり合う豪華絢爛のショー。どのジョッキーの騎乗馬も甲乙つけがたい名馬。冴え渡るジョッキーの技の競演にも大いに期待。

ネオユニヴァース産駒ヴィクトワールピサをダービー馬にして、皐月賞、ダービーの父子2冠制覇に導き、父の果たせなかった3冠馬に夢を繋ぐか武豊。

当代一流の藤沢和厩舎が満をじして送り込む息子ペルーサで、父ゼンノロブロイの果たせなかった栄光のダービー馬の夢を果たし、昨年に続き関東馬に勝利をもたらすか、横山典弘。

もしペルーサなら、なんとこの東のというより日本の名伯楽藤沢和雄氏に初のダービー調教師のタイトルをプレゼントすることができ、自身は昨年のロジユニヴァースに続くダービー2連覇達成。目下ぶっちぎりで総合リーディングジョッキーのトップを走るヨコテン。燃えているだろうなあ、、、、、。

キングカメハメハとエアグルーブの子、ルーラーシップの手綱をとるのは、ウオッカを64年ぶりに牝馬ダービー馬に導いた四位洋文騎手。彼はその翌年、ディープスカイで鮮やかにダービーを連覇した記憶に残るダービー騎手。ルーラーシップの良血が目覚めた今、他陣営も強力なライバル出現は大いに怖い存在だろう。

そして、しんがりは、ダノンシャンティのあの鮮やかな末脚を引き出し、キングカメハメハ以来松田厩舎に2頭目の変則2冠馬のタイトルをもたらすべく、虎視眈々とダービー制覇を狙う名手安藤勝巳騎手。

上記4名はいずれもダービージョッキーの称号を持ち、東西を代表するというより、日本を代表する名騎手揃い。馬も凄いがその騎乗騎手の凄さも圧巻。パートナーとの絆を深め、一生一度の晴れ舞台で、笑うのはどの馬の陣営とジョッキーなのだろうか、、。これほど話題豊富なダービーも珍しい。

心情としては、落馬負傷からこの日の為につらいリハビリを克服し、ターフに戻ってくる武豊とビクトワールピサにエールを送りたいのだけど、、、、。

なにしろ、代打岩田騎手が直前の落馬で肋骨骨折していたにもかかわらず、責任感と度胸で見事に皐月賞馬に導いたビクトワールピサ。他馬も強いけど、目下ディープインパクト以来の3冠馬を狙える権利を持っているのはビクトワールピサしかいないんだから、、、、、。

さて、競馬の女神はどの馬の頭上に微笑むのだろう。5月30日はもの凄い事になりそうな予感!!皆様もお見逃しなく、、、、。

2010年5月10日月曜日

お久しぶりです

今日のブロモントはなんとなんと季節外れの雪。4月初旬に日本に行き、その寒さにびっくりするほど、陽気が良かったカナダの東部。それが4月下旬に日本から戻ってすぐにどか雪。

でも次の日はぽかぽかの初夏。ともかく、驚く程気温の変動が激しく、大変です。数日前にはきゃべつの苗を植え、花の植え込みも始めようかというほど暖かかったのに、、、、。でも、現地の人達はまだ全然花の植え込みをしていません。よくこの気温の変動をしっているのです。

さて、4月初旬にブログを書いてから一ヶ月余。あまりにも色々なことがありすぎて、何から独り言を始めてよいかわかりません。それほど、公私ともに慌ただしい一ヶ月余でした。

大きな出来事のひとつは日本にも居を構えたこと。その転入とリフォーム。そして、リフォーム完了日の翌日のカナダ帰国。

そして、3日後のニューオーリンズへの出発と慌ただしく移動。これは昨年に続く音楽の旅パート2。ジャズの旅。

生憎の雨予報にがっかりしながら雨具をしっかり準備し、出発。しかし、幸運の女神はその被害を最小限に押さえてくれて、一日、それも最後の数時間を雨で妨害されただけ。

無事、3日間のジャズフェステに参加しました。しかし、その蒸し暑さ。港湾都市ニューオーリンズはただでも湿度が高く不快指数80以上。熱気をむんむんさせるテントの中にすし詰めの状態。ただただ、意識がもうろうとする中でのジャズの祭典でした。

午前中は市内見物、フレンチクオーターの散策。ワニ探索ツアーなどに費やし、最後の日は恒例のレンタカーで、郊外のプランテーションツアーを敢行。南部の人々の歴史的な住居を訪れ、色々と勉強になりました。

しかし、このツアーでもっとも印象に残ったのは、やはりハリケーンカトリーナの無惨な爪痕。2005年の出来事で、まだ当時避難した住民の3分の一ぐらいは戻っておらず、そこここの住居やビルが廃屋と化し、ドアに警察が一軒一軒訪れた記録番号が残され、当時の異常事態を感じさせました。

多くの町が川の水位より低く、破損した堤防が修理された部分のみ白くひかり、洪水の恐ろしさをまざまざと見せていました。早くこのジャズの町が昔の盛況を取り戻せるよう、願っています。

観光客も少なくなり、活気を失ったルイアームストロングゆかりの町。この親子三人の観光旅行が多少とも再建のお役にたてたらいいな、、、、、。まあ、焼け石に水だけど、、、。

それにしても食べまくったオイスター料理。おいしかったなあ、、、、。生なら広島に軍配が上がるけど、ガーリックバターで焼いたオイスター料理は絶品でした。

アメリカで数少ない「食も楽しめる都市」と評判のニューオーリンズ。皆さんもジャズを楽しみながら、オイスター料理でワインでもいかが、、、、、。