2009年11月23日月曜日

お見事!!そしてさようならカンパニー!!

昨日のG1マイルカップSで現役引退の花道を飾ったカンパニーのニュースを嬉しく読んだ。「人間の想像を超えた馬」と名手横山典弘騎手を唸らせた8歳馬の実力は本物だった。

毎日王冠G2、天皇賞秋G1と昨年の年度代表馬として、現役最強馬と認定されたウオッカを完膚なきまでに撃破しての、G1マイルカップS参戦。

天皇賞秋でウオッカの背から下馬した武豊騎手が、「完敗でした。」という短い一言で脱帽したその凄まじい切れのある末脚。あのウオッカが豪脚で追走しても差は最後まで縮まらなかったのだから、凄いの一言。

そして、引退戦となったG1マイルカップSは日本の若手の強豪のみならず、フランス、イギリスからG1馬2頭が参戦。しかし、それらをことごとく退け、前評判通りの強さ。

中2週のローテーションで3重賞を闘うことすら驚愕のスタミナ。どうなってるの??貴方のそのパワフルな肉体は、、、、。きっと若馬もビックリ。恥ずかしそうにしているのでは、、、、。

すでに8歳といえば、力の衰えが著しく、とても現役の若馬相手にG1を闘う力はないと思われていたこれまでのホースマンの常識を覆した馬。

これまでにも重賞を数多く勝ってはいたが、G1ではもう少しという善戦続きのナイスガイ。そんな貴方のひたむきさに、神は最高の秋を準備していてくれましたね!!やった〜〜〜!!

音無厩舎の秘蔵っ子として、又、初めて跨がったときから、名手横山騎手に、必ずG1がとれる馬と惚れ込まれ、すべての関係者から愛され、大切に育てられて来たカンパニー。

この一戦の勝利でG1レースを連覇(天皇賞秋、マイルカップS)。毎日王冠G2を含めれば重賞3連勝という「オジさんパワー」を見せつけての爽やかな引退。花道を完璧なエスコートで勝利に導いた横山典弘騎手もさぞほっとしていることだろう。

喜びのあまり、馬上からデットーリジャンプで飛び降りていたけど、「横典さん、貴方もそろそろオジさんと呼ばれる歳。足でも捻挫して、残りの秋競馬を寂しくしないでね!!」とは余計なファンの一言。

オジさん馬の頑張りといえば、かつて、現表示の6歳、7歳で有馬記念連覇の偉業を持ち、いまだに、最多重賞獲得記録を持つ顕彰馬スピードシンボリの大器晩成がすぐに思い浮かぶ。

人間の高齢化に伴い、馬も飼い葉が劇的に良くなり、体力的には長く競走馬として闘えるそうだ。

しかし、昨今の世界的な傾向は、素晴らしい記録を作れば、3歳で引退。種牡馬、繁殖牝馬の道を辿らせるオーナーが多い。

今年の凱旋門賞他重賞多数を勝ち、破竹の勢いで世界の人々に注目され続けていたシーザスターズも今年のカルチエ賞欧州年度代表馬に選出されながら、すでに引退、種牡馬入りが発表されている。

もう少し、素晴らしい馬には、底を見せるまで走らせてあげればいいのに、、、、。と思うのは私だけだろうか、、、、。ファンとしては寂しい。

もともと、人間がその英知と資力を傾けて最高の生きた芸術品、サラブレッドを産み出しているのだから、その「走りたい!!」という欲望を大いに磨いてあげてほしいものだが、、、。

その点、8歳までがんばり、大器晩成のお手本のようなミラクルを我々の目と記憶にまざまざと残してくれたカンパニー。

ミラクルアドマイア産駒の数少ない成功馬。その血脈は父系、母系とも凄い。トニービン、サドラーズウエルズ、ノーザンダンサー、ノーザンテーストなど、錚々たる重厚な名種牡馬が名を連ねる。

お父さんの名前どおり、貴方の8歳まで続いた足跡は「奇跡の賞賛(ミラクルアドマイア)」として、長く記録にも記憶にも刻まれ続けるでしょう。

数少ないミラクルアドマイアの後継種牡馬として、その素晴らしい血を脈々と後代に伝えていってね。子孫から、貴方に似た、頑張りやさんが出てくるのを楽しみにしています。

おめでとう!!近藤オーナー、そして、カンパニーの未来を信じて愛し続けた音無厩舎の陣営の皆さん!!お疲れ様でした。見事、8歳という高齢で重賞3連勝を果たし引退する愛馬を心から褒めてあげてください。沢山のファンの分も纏めて、、、、。

そして、この大輪の開花を信じ続けた横山騎手。やはり貴方の目は一流でした。強敵ウオッカを天皇賞秋で、上がり3ハロン、32秒9の凄い末脚を使い寄せ付けなかった横綱相撲。オジさん馬とオジさん騎手とは思えない格好よさでしたよ。

1分57秒2のレース記録は昨年の伝説の天皇賞秋、ウオッカとダイワスカーレットのレース記録タイ。8歳ですよ。8歳。お見事としか言いようがありません。

横山騎手!!これからもオジさんパワー(失礼!!)を炸裂させてください。時にはアッと驚く意外で胸のすくような思い切りのよい騎乗。その名人の技をいつも楽しみにみています。

カンパニーと同じく、今年は、ダービー、天皇賞秋、マイルカップSと大輪の花を咲かせた横山騎手。貴方もまさに充実の秋ですね。体に気をつけて、、、、。次はダービー馬、ロジユニヴァースのジャパンカップでのエスコート、期待しています。

「引退式は行わないから、ぜひ、カンパニーの現役最後のレースを見に来てほしい!!」と早くから宣言していた音無調教師。その言葉を聞いて以来、私には何にもできないけど、ぜひ勝たせて花道を飾らせて上げたいと心から祈っていました。

やはり私もオバさん世代だからでしょうか。私の夢も載せて走ってくれたカンパニー。ありがとう、そして、お疲れさま。グンと体を沈め綺麗なフォームで加速するあなたの姿!!格好よかったよ!!

もう、疲れすぎるからカッカカッカ燃えて走らなくてもいいよ。しばし休養して、それからいいお父さんになってね。本当におめでとう、そして夢をありがとう!!さようなら、カンパニー!!