2011年10月31日月曜日

圧巻のパフォーマンス

先週の菊花賞は、6年ぶりの三冠馬誕生、しかも、強い強いオルフェーブルが記録ずくめ(低勝率、敗戦数から数字だけみれば一見落ちこぼれ三冠馬かもという記録も含め)で、話題を提供した一戦だった。勝利した池江泰寿調教師の見事な親子三冠トレーナー達成。史上初。そして、池添騎手の最年少三冠制覇。

公式記録とは成らなかったものの、新馬戦勝利後騎手を振り落とし、又、三冠達成後騎手を振り落とした、やんちゃ馬の三冠制覇も又本当に微笑ましい記録として残るだろう。

無理も無い。オルフェーブルの父、ステイゴールドは、引退後すでに長く種牡馬を続けているのに、未だ闘争心旺盛で、威嚇したり、うなり声を上げたり、手に噛み付いたり、ともかく扱い難い気性だそうだ。その上、母方のお爺ちゃん、メジロマックイーンもレースとなるとあたりを睥睨し、威嚇する気性の荒さを見せた馬。

オルフェーブルが荒いのも、まさに血統。その闘争心の強さと天性の資質が三冠に繋がったのだから、抜群のDNAに感謝だろう。ともあれ、お見事でした。池江厩舎の皆さん!!来年はオルフェーブルで凱旋門賞参戦のプランとか。ディープのリベンジを果たすのが息子の新たな三冠馬なんて、本当に素晴らしい格好良すぎるロマン。お父さんをぜひロンシャンからの馬車パレードに乗せて上げてください。

ところで、昨日はノリに乗った池江厩舎の2週続けてのG1制覇。秋の天皇賞馬トーセンジョーダン誕生。又又お見事でした。出走馬の豪華さ、強さの激突はまさに圧巻。その古馬頂上決戦をレコードで制したトーセンジョーダンは正に実力開花、厩舎の皆さんの忍耐と夢と努力の結晶でしょう。もともとクラシック制覇も夢ではなかったという実力馬。如何でしょう、彼もオルフェーブルとともに凱旋門賞に参戦しては、、、。

昨日の強豪相手の見事な勝負振りを見たら、夢はやはり海外に繋がる走り。それにしても超一流馬が激突した、近年まれにみる、充実した天皇賞秋の圧巻のパフォーマンス。歴史に残る名勝負でした。

さて、次なる圧巻のパフォーマンスの期待はJBCクラシック。スマートファルコンとトランセンドの実力馬の決着や如何に、、、、。そして、ジャパンカップ、有馬記念へとまだまだ、圧巻のパフォーマンスは続く、、、、、。

2011年10月3日月曜日

歓喜と失望の一日

凱旋門賞のライブ放送を見終え、やはり昨年に続いて感想を書くことにした。もうご存知だろうが、日本から参戦したヒルノダムールが10着、ナカヤマフェスタが11着と結果としては、又又、欧州の壁に阻まれ、惨敗の憂き目を見た。これが夜中の失望。

今年の出走馬の様相はちょっと違った。1、2、3着が牝馬で独占され、特に1、2着馬は三歳。斤量面でただでも3歳馬がかなり有利な凱旋門賞。その上牝馬のアロワンスは馬鹿にできない。近年、世界中で牝馬が輝いている。

アメリカでは、昨年のブリーダーズカップを引退の花道として、最後に土をつけられても、惜しまれつつ引退したゼニヤッタ。その前の年度代表馬レイチェルアレクサンドラ。欧州ではザルカヴァ、サラフィナ、スノーフェアリー、最近はガリコヴァなど、新旧あわせて強い牝馬が健闘している。そこに華々しくデインドリームが加わった。

日本でも骨折療養中とは言え、3歳最強と言われるレーヴデソール、桜花賞馬マルセリーナ、秋を狙うホエールキャプチャ、と三歳の牝馬が牡馬と互角に戦っている。その上、昨年の年度代表馬ブエナビスタ、昨年の3冠牝馬アパパネ。先輩で引退したライバル同士のウオッカ、ダイワスカーレットの熾烈な戦い以後、牝馬の活躍が目覚ましい。

今年の凱旋門賞の方程式を見ると、勝利という結果を求めるなら、強い強い牝馬3歳を育て上げ、是非挑戦させてみたい気がする。斤量とか芝とか、遠征とか、負担が多すぎる中から、やはり、勝つために今年はこんなに牝馬が集まったのではないだろうか.といっても優勝馬の走破記録はこれまでの凱旋門賞レコードを更新したそうで、実力で負けたことは事実。またやり直しだね!!日本。


勿論日本馬2頭の敗退は残念だ。しかし、戦前の優勝予想馬で上位を独占したサラフィナなどを含めた人気馬が3着以内に一頭も入賞をしなかった大波乱の結末。良馬場だったし、大きな不利も無かったので、日本はこの事実を重く受け止め、敗因を考えるべき時がやってきた。今年は例年までのゆっくりしたペースでなく、最初から早いスピード勝負となった。これからもそうなる確立は高いだろう。こんな速いスピード勝負となると一キロでも重い斤量は本当に馬に大きな負担。

世界のホースマンを半ばショックで唖然とさせた今年の凱旋門賞。日本に残された課題は相変わらず多い。しかし、ドイツはディンドリームが36年ぶりに与えてくれた喜びの美酒。日本もこれまでに何度も返り討ちにあっているけど、36年も真剣に取り組んではいない。途中、遠征が途絶えたこともあるんだし。本格的に目の色を変えて、世界を見つめ始めたのは、まだここ15〜20年。

ここまで書いて、大きなことがわかった。何とこの凱旋門賞優勝馬デインドリームは社台ファームの吉田オーナーが共同馬主とのこと。ドイツ調教馬ではあるが、もしかしたら、吉田オーナーの関係でこれまでに登録のエリザベス女王杯ではなく、ジャパンカップに出走するかもしれないとのこと。又日本でその衝撃の走りが見られるかも、、、、。凄いニュース。それにしても1週間程前に共同オーナーになっているとは、吉田オーナーももの凄い強運の持ち主。日本でのスプリンターズステークスの1、2着馬もオーナーとか。同日に日仏の大レースを制覇するとは、、、、、。

日本調教馬も焦らずに、真剣に勝利の方程式を考え、日本でも生まれ始めた最強牝馬群も挑戦の選択肢に入れたらどうだろう。そして、又、世界の舞台で頑張ろう!!今年もドイツとは言え、優勝杯が欧州を越えることは無かった。ますます、夢の実現が待ち遠しい。

さて、目を国内に向けると、午後のスプリンターズSは、別の意味で感動的で嬉しかった。まず今年のG1ファンファーレのトップをきって秋G1シリーズの先陣を切ったレース。国際的な刺客をしりぞけ、病弱だったカレンチャンという新たなスプリンターの女王を生み出したレースとなったからだ。鞍上は今年、G1男とノリにノッている池添謙一騎手で、勝利しても落ち着いていた。もう、大騎手の風格が滲み出ている。

しかし、最強とうたわれ一番人気に押されたロケットマンは、力をだしきれず、終始馬群の中に包まれ、勝機を逸した感じで、実力はこんなもんじゃないだけに、今後もあなどれない。本来の力を発揮できず意気消沈の人馬が痛々しいけど、是非又、日本に来て元気な姿を見せてください。圧倒的な一番人気に支持し、心から本当の実力を見たかった日本のファンの残念な気持ちに答えるためにも、、、、。

日本は優勝のカレンチャンも加え、秋から来年にかけて、牝馬が又何かやりそうな年。他の牡馬も是非3冠をとったり、天皇賞、ジャパンカップ、有馬記念など、堂々と戦ってほしい。

さあ、もう、ジタバタしても終わってしまった今年の凱旋門賞。ジャパンチームも頭を切り替えて、又、日本で素晴らしいレースをみせてくださいね。関係ホースマンの皆さん、欧州の壁は高いですが、いつか超えましょう!!夢は難しければ難しい程、クリアーした時の感動が深まる事を信じて、、、、、。ともあれ、歓喜と失望、そして、又夢への新たな気持ちをかき立てられた一日だった。