2009年3月14日土曜日

一流の証

マイケルジャクソンの最後のロンドン公演の切符が発売後、約5時間で完売したそうだ。その数50万枚。高額な彼の切符、ネット販売されて5時間で完売とは、、、。さすが世界のスーパースター。幼児虐待、裁判による多額の負債、重病説などが流れ、近年、ほとんどめぼしい活動を休止していて、これだ。

彼のことは、個人的にはあまり好きではない。しかし、歌唱力、パフォーマンス、オーラともに、一流のエンターテイナーの一人であり、マイケルの一時代を築いたことは、認めざるをえないだろう。

数年前のクリスマス休暇、家族旅行でラスベガスを訪れ、毎晩色々なショーを見て回った。シルクドソレイユのショーに至っては、3本も違うショーを楽しみ、今、日本を訪問中のブルーマンのショーも見て、正直私の年代では、そのあまりにも奇抜なアイディアについていけなかった。

そんな中、「アメリカンスーバースターショウ」というタイトルのショーがあり、このショーの行われる劇場がある、物凄い高い塔の上から、ジェットコースターで飛び出し、空中にブランとぶら下がる、恐怖の乗り物券つきというおまけまで、ついていた。

私は興味津々で、このショーの切符を買っておいた。このラスベガス旅行の手配はすべて、私の役目だったので、私の見たいものを買っておき、ブルーマンのショーのみ、現地で追加したものだ。

さて、このアメリカンスーパースターのショーは、実は、「そっくりさん」の物まねショーだったのだ。一人でも見るのが難しいスーパースター。物まねスターで当然だと、息子はあまり期待していなかった。

それが、エルヴィスプレスリー、マドンナ、、などなどの物まねに続き、このマイケルジャクソンのそっくりさんが現れた時、思わず見入ってしまうほどの、見事なパフォーマンス。ムーンウオークなど本当に雲の上を歩いているよう。顔も思わず本物か、、、と間違えるぐらいよく似ていて、このショーを鑑賞後、家族一同、思ったよりずっと素晴らしいショーに大いに満足した。

こうした、偽者の人々が堂々とラスベガスで、高い入場料を取って公演できることこそ、まさにまさにその本物さんが「一流の証」。ネームヴァリュー、高い芸術性、そして、カリスマ的魅力、すべてにおいて、一流でなければそっくりさんのショーが成功するはずがない。そして、そっくりさんの芸も又、かなりの水準に達していなければ、この厳しいショーの舞台、ラスベガスで公演をすることは叶わないだろう。

ともあれ、超がつく一流と呼ばれる人々には、みえないところで、血のにじむような努力と研鑽。自身へのハードルを高いところへ高いところへと押し上げる、精神力があるのだろう。しかし、エルヴィスプレスりーの晩年をみても、マイケルの数々の所業をみても、スーパースターというのは、物凄い孤独との戦いの日々なんだろうなあ、、、、。常に輝いている自分を晒さなければならぬという重圧に耐えなければならない、、、。

地位、名誉、財産など、数々の栄光に包まれてきた人々を、何人かこの目にしてきたけど、不思議とあまり、羨ましいと思ったことがない。私には、こんな重圧に耐えてまで、追い求めるストイックさがないことを自分が一番しっているから、、、、。栄光と幸せとは、なんだかどこかで、反比例するような気もするんだけど、、。まあ、いいか!!生涯関係なさそうな、平凡なテツママだから、、、。

ちなみに、この偽マイケルジャクソン。一年ほど前、日本のテレビショーに招かれていた。偶然、目にしたときは、ちょっぴり懐かしかった。でも偽者さんでこれだけのオーラ。本物のショーはどれほど素晴らしいんだろう!!と考えたら、50万枚の公演切符が発売5時間で完売したのが、少し納得。世界中のマイケルファンは楽しみにしているだろう。私は買えなくて、残念!!