2009年7月30日木曜日

それぞれの夏

ちょっとブログご無沙汰しました。とにかく、体がいくつあっても足りない程忙しいのです。といっても生来のおせっかいが招いた自業自得なのですが、、、、。

8年前、我が家の庭でガーデン結婚式を挙げた日本人の友人夫妻に目出たく長男5歳、長女2歳が生まれ、その長男君が晴れて国際デヴューを果たしたのです。

私が連載していた子育てに関するブログも愛読してくださったご夫妻で、日本ですでに、英語の基礎を少しつけてあったのですが、何しろこちらはフランス語圏。

その上、朝8時から夕方5時までのデイサーヴィスで、馬の学校(まだ最年少組なので、乗馬は週に2回。その他川遊び、プール、動物の世話など、大自然の中でワイルドなキャンプ)に入ったのですから大人の目から見たら大変な事。

しかし初日の周りの緊張ぶりをよそに、本人は至って逞しく、ついに今日で3日継続。堂々たるデヴューです。兼ねてよりやった事のない大人の頭で考えるより、子供には無限の可能性と逞しさ、適応力があることを説いていた私も、想像以上の順調な滑り出し。

彼は昨日ついに、乗馬の初回もクリアーし、キラキラした目で私に報告してくれました。見事なものです。日本人の大人がいきなりアラビア語や韓国語の学校に入れられ、9時間も耳慣れない言葉の環境の中でこうも堂々と時間を過ごせるでしょうか。

やはり、子供だからこその、それも、目標を定めてかなりの独立訓練を親子で経てきたからこその成果でしょう。彼は日本でも朝早く起きて畑の仕事をし、夜は8時に就寝。なるべく体を鍛えるため、外で運動。

こちらの大自然の中、昨日は長靴を履いてキャンプ場で川遊び。ロープウエーからの空中ジャンプなど、楽しくて仕方がないようです。

ちなみに今日のお世話当番の動物はウサギ。昨日まではヤギでした。今回はとりあえず3週間のキャンプですが、最終週には、お父さんも日本から駆けつけ、乗馬の腕前を見学する予定なので、本人もやる気満々です。

世界中の子供達はすでに夏休みが始まり、それぞれの夏を過ごしている事でしょう。逞しく、健康で、豊かな心の子供達こそが、これからの世界の国の宝。大切に育みたいものです。

2009年7月20日月曜日

暑いなあ〜〜!!東京

おひさしぶりです。ちょっと台北へいっていました。台湾は南国だから、さぞ暑いと思ったら、何と何と、東京の方がずっと暑いのには閉口。

本当にもう、クーラーなしの生活なんて日本じゃかなり無理そう。カナダの我が家はクーラーとヒーター兼用で温度コントロールが出来る機械が入っているのですが、大抵5月から9月末までは切っていて、自然の温度です。

カナダの夏の家は、窓を開けていれば、涼しい風が入り、外でも木陰は本当に涼しくクーラーもあることを忘れます。夜などは布団をかけて寝ないと朝方寒く感じるときもあるぐらい。

ああ!!もう、日本の夏も冬も私には厳しいなあ〜〜!!やっぱり湿気の強さにはうんざり。みんなで地球環境を壊したバチね。

夏バテに皆さんもご注意を!!そういえば、この出張前に問屋でうなぎを1ケース(24本入り)買ったんだ!!早く食べて元気をつけなきゃ!!

少々バテ気味のテツママより、皆様への暑中お見舞いで〜〜〜す。お体お大事に。

2009年7月12日日曜日

暖かい配慮を!!

先月の話になるが、幻の3冠馬として、無敗で皐月賞を制覇したのち、屈腱炎を発症し、種牡馬となった、アグネスタキオンが突然死した。

その競走時代のあまりにも強い姿から、今でも「もし、ダビーに参加していたら、、、」とか「もし順調に古馬になっていたら、、、、」と多くのファンに惜しまれ続けている。

しかし、種牡馬と成ってから8年。彼の残した産駒はまことに見事で、中でもダイワスカーレット(生涯戦績12戦パーフェクト連対。史上初)、昨年のダービー馬、ディープスカイなど、超一流馬を多く排出してきた。

そのため、あのディープインパクトが種牡馬となって、最高種付け料1200万となっても、わずかクラシック一勝の戦績で種牡馬になったアグネスタキオンが、諸先輩馬を差し置いて、第二位の1000万円の種付け料でも引っ張りだこだったそうだ。

昨年度は長く続いた父、サンデーサイレンスに代わりリーディングサイヤーに輝き、産駒がこれほど見事なパフォーマンスを見せているんだから、馬産家の人たちが飛びつくのも無理はないかもしれない。

しかし、人間が、その欲望と夢と金儲けのために、もの言わぬサラブレッドを酷使していることにはならないだろうか????アグネスタキオンの死は心不全だったと聞く。

このクラスの種牡馬になると平均年間100頭への種付け数をはるかに越えた、200回前後にも達するという。平均して毎日というわけではないから、春の牝馬の発情期に集中する重労働。いくら優秀な産駒を出すからといっても、何だかアグネスタキオンは人間の欲と身勝手さに殺されてしまったような気がする。

昔昔、初の牝馬ダービー馬として、競馬史に燦然とその名を刻んだヒサトモという馬の末路を皆さんはご存知だろうか。これまで牝馬がダービーを制したのはウオッカを含めてわずか3頭。ダービー開設後第6回大会(昭和12年。つまり戦前)で初めて牝馬ヒサトモがウオッカと同じく、すべての参加牡馬を蹴散らし、颯爽とゴールをかけ抜けた。本来なら幸せそのものの未来の生活が待っているはずだった。

しかし、その後、競走時代、繁殖時代のオーナーの没落という悲劇に見舞われ、又、彼女自身も受胎が難しい牝馬で、ついに輝かしい初代ダービー牝馬でありながら、地方競馬に売り渡され、15歳(人間なら60歳ぐらいとか)で競走生活に復帰。強い調教に耐え、けなげに2戦目を走り終えた後、厩舎に戻る途中で心不全に襲われ、崩れるように倒れ、この世を去ったそうだ。勿論強すぎる調教による過労死であったことは言うまでもない。

復帰一戦目では、ゆるゆるの体で久々のレースとはいえ、そこは初代ダービー牝馬。地方のごちゃごちゃの馬を相手では役者が違い、楽勝してしまったがための悲劇だった。そのときも周りの人間の欲と面白がったばか騒ぎに哀れにも犠牲となり、遺体もその後どこに埋葬されたかすら記録がなく、不明とか。人間の欲望の犠牲になった本当に悲しい哀れな末路だ。

今、私が心から心配しているのは、ディープインパクトの健康だ。アグネスタキオンの夭逝でディープインパクトへの負担はさらに増しているのではないだろうか。

欲に目がくらんだ馬産家の「自分さえよければ、、、」という犠牲にだけはなってほしくない。彼は競馬サークルを越えて、広く国民に夢と希望を与え、不景気や不透明な世の中に一陣の爽やかな風を送り込んでくれた国民的ヒーローだ。

アグネスタキオンの突然の心不全死。ヒサトモの哀れな心不全死を思うにつけ、心から競馬サークルの人々の常識ある、暖かい対応を願う。彼、ディープインパクトは全ての日本人の宝であり、誇りだからだ。その健康管理と節度ある無理の無い交配日程に直ちに見直されることを願ってやまない。

そうでなければ、あんな愛らしい国民の英雄を4歳で引退させられ目の前から消し去られても、まだ愛らしい姿を追って牧場まで会いにいったり、その姿をDVDで偲んだりしているファンの気持ちが収まらない。

思い出してください!!2005年から2006年にかけて、もっとも国民に愛され、不透明な世の中に彗星のごとく現れ、人々を勇気づけてくれたのは、彼、ディープインパクトだったんですよ。その胸のすくような走りにどれだけの人が救われ、自分の希望を載せたことか。

子供達の澄んだ目にも、彼は英雄で将来の大いなる夢だったことを忘れずに、大人の欲に目が眩んだ犠牲にだけはしないでほしい。管理している牧場の人々も今一度よく考えてほしいと願い、あえてブログに掲載し、お願いを述べました。

長生きしてほしいです。ディープインパクトや、その他の多くの夢をくれた名馬には、、、、、。もの言えぬ身だからこそ、我々人間が労ってあげねば、、、、。今回のアグネスタキオンの若すぎる死は我々への警鐘だったとしか思えません。

2009年7月10日金曜日

流行とまやかし

どんなものにも流行がある。それは生き物(ペット)などにも顕著に観られる。ブランド物が大好きな日本人は、犬やネコも流行のブランドものが大好きで、有り難そうな血統書がついていると、高いお金を出して買うらしい。

欧米諸国と比べて、日本のペットは異常に高い感じがする。でも、結構売れるらしい。昔、西太后という悪名高き后が、中国の王朝を支配したとき、取り巻きの宦官がこぞって可愛い愛玩犬を献上し、ご機嫌をとった。

その中でも、シーズーというペキニーズの改良種のような、面白い顔をした犬をこの西太后はこよなく愛し、当時は珍重された犬だったとか。でも彼女の没落とともにかなり虐殺されてしまったと聞く。

事程さように、目的をもって、適当に交配され、有り難そうな血統書を付けて、高く売り出されている犬、ネコなどの先祖は実に怪しい血統らしい。何代も前の記録など、実はほとんどないとか。17世紀以前のサラブレッドもしかり。

大体アラブの馬、アジアの馬、欧米の馬を適当に掛け合わせ、当時の欧州貴族の趣味的遊びとして、その骨格が形成されてきたサラブレッドの血統表。まだ、実際に多くのレースに参加し、輝かしい戦績を残した牡馬なら、17世紀初頭ぐらいからかなり信頼できる血統表があるが、繁殖牝馬ともなると、その数世代前の記録などは実はほとんどなく、誠に怪しい記録だそうだ。

そのサラブレッドづくりにも時代の流行がある。昔々は、欧州ではステイヤー(長距離を得意とする馬)が珍重され、短距離のスピード馬はあまり珍重されなかった。とくにイギリスの馬産家などには、ステイヤーこそが価値ある種牡馬であり、繁殖牝馬だった。そしてその時代がかなり長く続いた。

しかし、アメリカ競馬が盛んになり、強い中短距離馬が現れてからは、サラブレッドも段々中短距離馬がモテハヤされ、兎に角スピード感のある、速くて軽快な馬こそが素晴らしいとモテハヤされるようになってきた。

なぜこんな話題をとりあげているのかというと、皆さんはウオッカの母系の血脈をご存知だろうか。ご承知のとおり、彼女は64年ぶりに牝馬として、ダービーを勝ちその後も素晴らしい活躍をつづけ、牝馬歴代最高の賞金をかせぎ、G1を6個もとっている凄い牝馬だ。

父のタニノギムレットもダービー馬だから、彼女は素晴らしい素質を元々持っていた馬で偶然の産物ではない。

ウオッカの母系は実はステイヤーの素晴らしい血筋を重ねて重ねてつくり上げられている。谷水牧場は現在のオーナーのお父さんの時代から、素晴らしい血統を未来のために積み重ねてきた。その努力が、父娘、ダービー2代制覇という素晴らしい成果となって現れて来ているのである。

そのお手本となったのが、あるイギリスの繁殖家。多くの欧米ブリーダーが素晴らしいスピードを持つ中短距離馬を繁殖馬や種馬として求め交配させることが流行り始めた中、彼は頑固にステイヤーの血を絶やさずクロスさせ、血統の中に織り込んできた。

その結果、ステイヤー同士の交配でも、オールマイティのもの凄く強い馬が多く現れ始めたのだ。元々ステイヤーとは地力があり、長丁場を走るため、我慢強く粘り強く、そして、直線最後の戦いでは、最後の力を振り絞りスピードを上げてラストスパートもできる。

そんな名馬の血は、その後、人間の調教次第で、あらゆる距離適性の力をみせるようになって来たのだ。

ウオッカはマイル(1600メートル)が最高と言われているが、2400メートルのダービーも制した。ダイワスカーレットとの死闘を演じた昨年秋の天皇賞も2000メートルだった。ダイワスカーレットは2500メートルの有馬記念を圧倒的な力でねじ伏せた。この2頭が生み出す子供はどんな子供なのだろうか。遺伝子上、本当に楽しみである。

種牡馬の優劣ばかりが騒がれがちだが、実は繁殖牝馬の素晴らしい特徴を大いに目覚めさせるのが、名種牡馬。つまり、この世界でも繁殖牝馬の優劣こそが、大きく産駒の能力を左右する。やっぱり母馬の影響大なのである。

だからこそ、英国王室なども、優秀な繁殖牝馬を大切に大切に重ね合わせてきた。今、その王室の末裔として、日本で繁殖牝馬となっているウインドインハーヘア(ディープインパクトの母)なども実に素晴らしい王室秘蔵の牝系の血が流れている。

もともと17世紀以前は怪しい血統だったサラブレッドもイギリスやフランス、イタリア、ドイツなどの貴族、王室に大切に研究され、人間の試みによって、優れた素質をさらに高め、磨き上げられてきた。とは言え、名馬ばかりが掛け合わされてきたのかというとそうとも言えない。中には無名の馬も混じっている。

でも、ステイヤーとしての地力を備えていさえすれば、人間の調教技術で、距離適性はかなり融通が利く事を我々に身をもって示してくれたウオッカと谷水牧場の交配記録。

人間もしかりではないだろうか。まず子孫を粘り強く、我慢強く、逞しく育て上げ、その素質を全開させるよう指導し、未来に必ず花開く事を信じ、百年の計をたてる。その基礎作りこそが独自の一流のブランドをつくり上げる早道。マヤカシの紙(血統書、保証書、卒業証書、権利書)などには、誤摩化されぬ確かな目が必要な時代だ。

2009年7月6日月曜日

夏のひととき

タイトル程、優雅なお話しではない。雑草との格闘のお話。このところ朝か、午後、必ず大雨がふり、その後、カーッと真夏の太陽が降り注ぐ。

従って、花々や芝生への水やりの手間が省けておおいに楽だが、この様なお天気は、雑草達にも最適なお天気。伸びる事伸びる事。ちょっと不注意をしていると、あっという間にそこら中雑草の天下。

放っておくと、多年草の花咲が悪く、養分を吸われてしまうので、夏は雑草との戦い。中には可憐な花をつけていて、抜くには忍びない草花もあるんだけど、一応、庭としての美観を損なうものは抜かなくちゃ。

毎年、この時期になると、雑草を抜きながら、物思いにふける。踏まれても抜かれても、大地にしっかりと根をはり、又翌年にはむくむくと顔を出す雑草。強いなあ!!

改良種になればなるほどバラなどは脆い。人間も大自然から学ばなくちゃならないことがあり過ぎの様な気がする。便利さの追求。快適な空間。素晴らしい美を追求するあまり、何か人間も動物であることを忘れ去っている様な気がする。

もう、クーラーや洗濯機のない家庭は少ないだろう。その結果、ビルの谷間はいつもエアコンから排出される温風で、夏はうだるような暑さ。

車の排気ガス。空気汚染。快適なオフィスへ行くまでの家畜電車。(まあラッシュの時だけだろうけど、、、、。)何かが何処かで狂い始めている感じ。

高い学歴を得るために、泥んこ遊びをあきらめさせ、勉強、勉強と口をつくのは勉強を強いる言葉が多くなる親。勿論勉強は大切だが、親までが先生と同じく子供を管理し、自由に発想させず、子供の自由を奪い、その個性を重視せず、尊敬する事を忘れたような世界。

全てお膳立てされた環境で、ただ勉強ばかりしていた子供に、もし、何か意外な問題が発生したら、恐らく柔軟な対応は難しいだろう。勉強に専念させるために、勉強以外のことは殆ど親が手を出し、他にも大切な冒険や失敗をさせて精神力を鍛えていないからだ。

今日本は、政治、経済、文化ともに混迷の中にある。すでに今年の秋の東京モーターショーには、ポルシェもフェラーリも不参加だそうだ。そこで、困り果てた主催者側は日程を短縮することにしたそうだ。

勿論、世界的に不況。特に自動車産業の落ち込みは激しい。しかし、今年の上海で行われたモーターショーには、ポルシェもフェラーリも参加していたというのに、、、、。どうして日本には来ないの??こんな一時期では考えられない様な不人気な日本。

今、確実に日本は、世界の中であまり注目されない素通りされる国になりつつある。北朝鮮にもバカにされ、ミサイルも7発も打たれた。

こんな時期に政治は相変わらずお家騒動ばかり。首相が国費を使って政府専用機でアメリカのオバマ大統領に会いに行ったときも、ランチすらご招待がなかったそうだ。何億円の無駄??

このようなたよりない国の基礎を根底から支えられるような、強い子供を、しっかりした子供を、逞しい子供を育てるのは、日本の母。勉強より先に、まず、逞しい、国際的にも強い魂を持った子供の育成に期待したい。