聞くところによると、肉離れ寸前だった左脚の脹ら脛痛から復帰して以来、脚で稼ぐ内野安打が陰をひそめ、大事をとっていたイチロー選手も200本目の安打には、全力疾走で一塁を駆け抜けたとか。
攻守走3拍子そろった好選手の面目躍如のイチロー選手らしい一打で決めた9年連続の200本安打記録。ともかく凄いの一言。そして嬉しいの一言。108年ぶりの更新で、1900年以降では、7年連続が最高記録だったそうだ。勿論この7年の記録は彼は一昨年更新している。
でも、そのイチロー選手も今年は日本のWBCの中心選手として期待されていた重圧から、心が折れそうな程のプレッシャーと戦い、MLB開幕早々胃潰瘍で、8試合の故障者リスト入り。そして8月に襲った左脚の故障。
他人には言えぬ、苦しい日々を過ごして、もがき苦しんだ末の栄光だろう。しかし、いいねえ!! その達成後のインタビューでの何事もなかった様な彼のクールな対応。彼ほど後ろを振り返らず、思い出に感傷的に成らない偉大な選手も少ないだろう。(表面的には、、、)
「だからどうしたの??」とでも言わんばかりのクールさ。個人記録に対しては、本当に謙虚で、前向きで、常に前しかみないその姿こそ、私の最も尊敬し、お手本にしたい人生の達人そのものだ。
どんな時にも前をみる。特に気負わずさらりと簡単なコメントのみを残す。人間が生きてゆく上で、簡単そうでこれが最も難しく、この内面の逞しさと美しさが彼のあらゆる成功の鍵を握っているのだろう。この自己規律の素晴らしさが、、、。
恐らく彼は現役を引退するその日まで、黙々と自己鍛錬の日々を過ごし、自分の納得できるコンディションを保つための努力を怠らず、自分自身との戦いの日々を送り続けることだろう。
でも彼にとっては、何だかこれからの記録への挑戦は、義務や責任や期待から一歩脱却した、趣味に近い気楽な気分で臨めるのではないかという気がする。
今春、サムライジャパンの一員として、第二回WBCを戦っていた彼は、MLBの日々の戦いとは違い、一戦、一戦が落とせぬ緊張の中で、自分が苦しみもがきながらもチームメートを励まし、饒舌によく笑い、時には毅然とした闘志を露にし、チームメートを鼓舞していた。
彼は無感動でも、周囲に気配りできないのでも、傲慢なのでもない。十分の愛にあふるる熱い魂を内に秘めた本当のサムライだ。その誇り高き孤高の姿勢は日本人のシンボル。これからの若者の素晴らしい目標となってほしい。
天才とは、努力の人の代名詞。それも、逞しい精神力を磨き、自己研鑽を怠らぬ人にのみ、使う事を許される言葉だろう。目下、連続でなければ、10回200本安打を達成したピートローズ選手の記録があるそうだ。
イチロー選手になら、生涯記録で200本安打記録を10回以上つくるのは、そう難しいことではないだろう。ぜひ楽しみながら挑戦してほしい。
ともあれ、本当におめでとう!!そして素晴らしい夢をありがとう。イチロー選手とご家族の皆さん!!
イチロー選手!!貴方の堂々たる雄姿は、今の元気のない日本と日本人へのカンフル剤。又又貴方に元気を貰いました。これからも、沢山の喜びと感動を貴方とともに味わいたいものです。
すべての日本人の誇りとしてこの大リーグ史に燦然と輝く、史上初の9年連続200本安打達成の記録は貴方の偉大なる足跡として永遠に世界の人々に語り継がれることでしょう。