2010年3月28日日曜日

ああ、残念!!

世界の壁は今年もやはり厚かった。ドバイワールドカップで11着と惨敗したレッドデザイア。シーマクラシックで惜しくも2着に敗退したブエナビスタ。ローレルゲレイロもグロリアスノアも4着。

高いね。世界の壁は、、、、。しかし、4歳の牝馬として世界G1初挑戦のブエナビスタの2着は大いに期待できる。フランスの名手ペリエ騎手もブエナビスタの世界最高峰レース、凱旋門賞参戦におおいに期待すると述べた。

レッドデザイアは前哨戦で素晴らしい勝ちっぷりをみせて、かなり内外の注目を浴びていたが、本番では入れこみが激しく、やはり平常心では闘えなかった。ブエナビスタもゲートで興奮していたというから、やはり世界最高のドバイの舞台は異様な雰囲気なんだろう。

この日、本来ならウオッカがワールドカップに出走し、引退レースとなるはずだった。すでにアイルランドに到着し、繁殖牝馬としてのスタートを切っているが、やはり、人馬一体となり平常心で世界の舞台を制するのは大変なことなんだなあ、、、、という思いを今年も抱いた。

しかし、ともあれ、無事にドバイの檜舞台で走り終えた日本馬4頭にはまだまだ先がある。昨日は毎日杯でザタイキが、最終直線で脚部骨折を起こし予後不良。つまり安楽死の可哀想な結末を迎えてしまった。

騎乗していた武豊騎手も落馬骨折となり、車いすで救急車に乗り込み、病院に搬送された。本当に一瞬先はわからぬ危険が待ち構えているホースレース。無事に4頭の日本馬が参戦できたことだけでもよしとしよう。そして、何時の日かリベンジしてほしい。

武豊騎手はこの騎乗前、この日すでに3勝のかため打ちでエンジンがかかり調子にのりかかっていただけに、この骨折は本当に残念だろう。桜花賞、皐月賞の騎乗も絶望的とか、、、、。

しかし、彼の素晴らしい闘志はすでに先を見つめ、苦痛の中にも、着々と最短リハビリスケジュール挑戦へのシナリオが描かれているに違いない。

これまでも大けがのたびに奇跡に近い最短時間で復活を遂げて来た彼。クラシックから秋の古馬戦線へ、彼の居ないレースはつまらない。頑張れ〜〜〜!!不屈の闘志で一日も早く戦線復帰されることを期待しています〜〜!!

2010年3月17日水曜日

今日のニュースから

今日も欧米から悲喜こもごものニュースが入って来た。勿論スポーツとか趣味の話題。ひとつは待ち望んでいたタイガーウッズ選手の戦列復帰のニュース。

かれこれ4ヶ月の空白を経て、4月8日のマスターズからカムバック。「お帰りなさい、ウッズ選手!!」もの凄い騒動の中で集中できるかどうか精神力が試される時。温かく見守りたいもの。まだまだ潰されてしまうには惜しい素晴らしいアスリート。世界中の注目の的だろう。

残念なニュースは日本でもおなじみのサッカー界の貴公子ベッカム選手の負傷によるワールドカップイングランド代表絶望か、、、というニュース。涙を流しつつ担架で運び出される姿に、このまま引退か、、、というニュースまで流れた。甘いマスクで日本でも大人気を博したスーパースターの彼。ぜひ、怪我を乗り越えカムバックしてほしいものだ。

スーパースターといえば、アメリカを代表する2頭の女傑牝馬対決が残念ながら流れてしまった。ゼニヤッタは順調にG19勝目をあげ、準備万端整った様子。しかし、一方のレイチェルアレクサンドラが異常気象による調教不足で態勢が整わず、参戦回避を発表。

今年のアップルブロッサムHは両馬の参戦を受けて一気に賞金が500万ドルまでアップしたが、この女傑対決が流れたため、元の50万ドル(十分の一)に逆戻り。他の参戦を表明していた各馬の陣営にも大きな誤算だったことだろう。

新たな夢はいつ実現されるのだろうか、、、。夢と言えば、電撃引退したウオッカがドバイから無事アイルランドのアガカーン殿下の牧場に到着したというホッとするニュースも伝わって来た。つい先日までスーパースターとして日本中を沸かせていた彼女。

経由地イギリスのニューマーケットでも受け入れスタッフの評判は上々。「これが、日本中を沸かせたスーパー牝馬か??良い馬体をしている!!」と本場の眼の肥えたスタッフのお墨付きを貰ったんだから、一流の証。

ところで、アイルランドで待ちかねている婿殿シーザスターズのオーナーは香港の大財閥。ウオッカの馬主は言わずと知れた日本の名門谷水牧場のオーナー。中国と日本を代表するオーナーの馬がアイルランドで結婚。この分野でも益々グローバル化が進む昨今。素晴らしい国際親善を果たしている。良い仔が授かるといいね。ウオッカ!!

一泊したイギリスの厩舎の柵から人恋しそうな姿をみせ、ちょっぴり寂しそうで胸が痛かったがニュースによると経由地イギリスでも到着地アイルランドでも落ち着いて威風堂々と馬運車から降りたウオッカ。日本牝馬の気品を世界に広めてね。頑張れ〜〜!!

2010年3月7日日曜日

さようならウオッカ!!

鼻出血による電撃引退が発表されたウオッカ。ドバイワールドカップを引退レースに選んでいたが、その前哨戦として走ったチャレンジカップで8着に惨敗。明らかに異変を感じた。

幸い、日本から参戦した4歳牝馬レッドデザイアが素晴らしい差し脚で快走し、世界のホースマンの度肝を抜いて優勝したが、本来、この役目はウオッカのものだった。

勿論これまでも変に脆いところがあり、常勝で安定していたディープインパクトなどとはタイプが違う繊細な馬。しかし、ツボにハマった時の破壊力は抜群で、誰にも止められない勢いと迫力を感じた牡馬のような牝馬だった。

何よりも64年ぶりに牝馬としてダービー馬の栄誉に輝いた2007年の勇姿。すべての牡馬が霞む程の圧勝だった。そして牡馬を蹴散らしスピードの違いを見せつけた痛快な安田記念。希代の名牝であり、ライバルとして君臨したダイワスカーレットとの壮絶な天皇賞秋の死闘。

牝馬として初の勲章に輝いた昨年秋のジャパンカップ。どれも強烈に思い出に残る名レースばかり。ウオッカという強い強いお酒の名前とともに、はらはらどきどき、スリルとサスペンスの映画を鑑賞しているような気分だった彼女の走り。ファンはどれ程酔いしれたことだろう。

その名女優は最後の本番の舞台に立つことなく静かにその壮絶な走りを終えた。しかし、すでに幸せな嫁入り先も決まっている。婿殿のシーザスターズは英国クラシック2冠、凱旋門賞優勝馬として世界的に認められた名馬であり、その親族にも凱旋門賞馬がずらりのサラブレッド中のサラブレッド。目下世界一の婿殿だ。

ウオッカとシーザスターズの未来の産駒は2013年にヴェールを脱ぐ。勿論順調に受胎すれば、、、ということだが、、、、。まだまだファンに残された夢は壮大だ。

なんだか、始めからこんなストーリーが決められていたようなウオッカの運命。可愛い子馬をつれてアイルランドの牧場でのんびり草を食むウオッカを訪ね、アイルランドの地を訪れてみたいなあ〜〜。

本当にお疲れさまウオッカ!!そして、数々の夢を作り上げてくれたオーナー、角居厩舎の皆さん。ウオッカは消えても、彼女が残した偉大なる足跡と歴史に残る戦績は消えません。今後も長く、歴代最高牝馬の一頭として、語り継がれてゆくでしょう。

どうぞ又、彼女の素晴らしい産駒とともに、夢の続きを作り上げていってください。その日をファンは心待ちにしています。

さようなら、そして、ありがとうウオッカ!! 元気でね〜〜〜!!

2010年3月3日水曜日

国境を超えさせる力

バンクーバー冬期オリンピックが閉幕し、日本選手も続々と帰国し、その報道に沸いている。韓国では、キムヨナ選手の金メダルに大フィーバー。韓国中が大騒ぎ。

オリンピックの数々の闘いは、本当に清々しい感動を人々に与えた。結果はどうあれ、それぞれの参加者が精一杯の挑戦をする姿に無条件で心が震えた。

4年に一度の祭典のために、自己規律と自己管理を強いられ、強い意志をもって能力の限界に挑む。そんな姿に魅了されない人はいないだろう。

そして、喜び、安堵、悔しさ、悲しさなど、様々な感情を押さえることができず流す涙に、もらい泣きした人々も多かった事だろう。私もそんなひとりだった。

話は変わるが、息子が今、多言語習得に関するブログを書いている。一に環境、二に環境と、自分の環境を自分で作る(勿論成人してからの事)努力が、最短の学習成功法であることを色々な角度から分析して述べている。

彼にとっての素晴らしい言語習得への早道は、旅とスポーツの中に見いだしている。私も同感だ。

スポーツと音楽ほど、国境をすぐ超えさせ、仲間意識を持てるものは少ない。モントリオールにはジャズフェステバルとドラムフェステバルという、世界的に有名な音楽の祭典がある。

そこでしばしば目にする光景は、口角泡を飛ばして目を輝かせ、意見交換をしている多くの人々の輪だ。さぞ親しい仲間なんだろうと思って訊いてみると、「いやあ、今、会ったばかりだけど、、、、」という意外な答え。

素晴らしい音楽、特に自分の熱中している楽器などの巧みな演奏に感動すると、その場に居合せたすべての人々の心がすぐに繋がるらしい。あっという間に心が開かれ、会話の友となる姿を私は何度も目にした。

スポーツもしかり。特に団体競技でチームを組むと、その心の絆はすぐに結ばれ、あっという間に壁が消える。息子は中学高校時代、アイスホッケーでこの貴重な体験をした。

バンクーバーオリンピックで、氷上に高々とあがったカナダ国旗を見て、息子の胸に去来したのも、過ぎ去った青春の日々、自分のフランス語を鍛え上げてくれたチームメートと、大好きなアイスホッケーにのめり込んでいた日々のことだっただろう。

スポーツや音楽、そして、旅の開放感はすぐに世界の人々の心の壁を超えさせ、心を開かせてくれる。その素晴らしさ、感動に触れて不屈の精神を磨き、絆を結び合う人々に国境はないと心から信じている。